ルカの淹れた紅茶を飲んでリビングから自分の部屋に戻ろうとした雅彦は、浮かない顔をしたレンと出会った。
 「レン君、どうしたんだい?浮かない顔をしているけど」
 「あ…、マサ兄…」
 雅彦に気がついたレンは顔をあげる。
 「ええっと、その…」
 中々話そうとしないレン。そんなレンに雅彦は少ししゃがんで目線の高さを合わせ、レンの両肩に手を乗せる。
 「レン君、何かあったんなら、僕に話してみないかい?解決策が出るかもしれないし、話すだけでも気が楽になるかもしれないよ?」
 そんな雅彦の提案について、少し考えるレン。
 「うん、分かった。マサ兄、聞いてくれる?」
 「分かった。…それじゃ、僕の部屋にいこうか」
 そういって雅彦の部屋にいく二人だった。

 雅彦の部屋に入る二人。そして部屋にロックをかける雅彦。
 「…で、どうしたんだい?僕の予想だと、多分リンちゃんと何かあったんじゃないかな」
 その雅彦の言葉に、はっとした表情をするレン。
 「マサ兄、何で分かったの?」
 「…いや、レン君が悩むのって、リンちゃんが絡んでいることが多かったから、そこからの類推だよ」
 「そうなんだ」
 「…レン君、話してくれる?」
 「うん、…あのさ、実はリンと喧嘩したんだ」
 「原因は?」
 「二人で歌う歌があって、俺は気に入ったんだけど、リンがちょっと気に入らなかったみたいで、…それで、ちょっと喧嘩になっちゃったんだ」
 「うーん、歌についてか…」
 考える雅彦。歌については、感性の問題による所もあるため、聴いた人で感じる部分が違う。どちらかというと雅彦はどんなものでも理詰めで物事を考えるほうで、逆にリンやレンは感性で感じる比率が高い。雅彦と考え方が大きく違うので、タイプが違うレンに助言するのはかなり難しいのだが、相談を受けた以上、答えなければならない。
 「レン君、僕はレン君とリンちゃんは、ボーカロイドの中でも特別な結び付きがある二人だと思っている。だから、仲直りしなきゃ駄目だと思うよ」
 「…マサ兄、俺だって自分でもそう思っているよ。でも、今の状況だと、意地になっている所もあって、お互い歩み寄りは難しいと思う」
 レンの言葉に、しばらく考える雅彦。
 「…そうか、分かった。とにかく、あとでリンちゃんにも話は聞いてみるよ、その上で、どうするか考えるよ」
 「マサ兄、ごめん」
 「レン君は気にしなくて良いよ。僕たちは家族だからね」
 そう雅彦がいうと、レンは一礼する。雅彦が部屋のロックを解除すると、部屋を出て行った。

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初音ミクとパラダイムシフト3 1章9節

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投稿日:2017/02/26 18:26:21

文字数:1,067文字

カテゴリ:小説

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