命の始まる前の場所 眠りから目覚めた子供達
目の前に在るのは1人の賢者 目覚めた子供達と言葉を交わす
賢者は語る この場所の事 子供達の運命
そして白と黒2つの門の事 賢者が語るその内容は
「お前達は仮初の姿でここにいる。
お前達はこれから人として生まれる運命
その時が来れば門をくぐりこの場所を旅立つ。」
子供達の一人が尋ねた 「いつになれば門が開くのか」と。
その問い掛けに答えたのは白と黒2つの門の傍らに立つ者達だった
門を開く鍵となるモノ それは今生きている子供達の命
白き門の傍らに立つ白き衣を纏った者達は言う
「白き門をくぐれば、お前達を大切に思う者達と出会える。」と。
そこに黒き門の傍らに立つ黒き衣を纏った者達が口を挟む。
「生まれることを拒むなら黒き門をくぐればいい。
お前達はゆっくりと消えていく」と。
「生まれることを拒む?何故そんな事をする必要があるのか?」
違う子供が賢者に尋ねた。
賢者はゆっくりと重い口を開き答えた
「コレを見れば理解できるだろう」と。
そして賢者が見せたものは子供達が生まれてからの未来だった
それは、単なる偶然かそれとも悪意に満ちた必然か―
『幸せ』を手にする子供は1人も居なかった
病に倒れて消えてしまう子供 事故に遭い消える子供
幼い内に親に捨てられ消える子供
自分自身の意思で消えることを選ぶ子供
子供達は自身の未来を嘆き悲しんだ
そんな子供達に無常にも手を差し伸べたのは
2つの門の傍らに立つ者達だった
白き門の傍らに立つ白き衣を纏った者達は言う
「さあ、時が訪れた。我等が人間の世界へ連れて行く。さあ手を!」
黒き門の傍らに立つ黒き衣を纏った者達が口を挟む。
「苦しみ、傷付く事を恐れるなら我等が消そう。さあ手を!」
苦しみ、傷付く痛みを背負ってまで生まれるのか、
何も知らぬままで消えるのか。
苦しみ、傷付く痛みを知りながらその先の未来を信じる子供は
白き門の傍らに立つ白き衣を纏った者達の手を取り、
光溢れる白き門の中へと吸い込まれるように消えた
苦しみ、傷付く痛みを恐れた子供は
黒き門の傍らに立つ黒き衣を纏った者達の手を取り、
漆黒の闇に包まれた門へ吸い込まれるように消えた。
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