今日は、最後のデート。
佐野 輝はかなり緊張していた。
いつもなら、先に噴水広場で待っているはずの小日向 明日香、輝の彼女は今日はまだ来ていない。最後のデートで、さらに、お願いをする日だから、何を着ていこうか迷っているのだろう。そう輝は考えた。まさか今、他の人と付き合っていて、今日はその人とランデブーだなんてありえない。いくらモテる明日香でも・・・。

輝の考えは正解だった。いつもより、だいぶお洒落をしている。相当時間が掛かりそうな、メイク、明日香にはまだ高すぎるのではないかというほど高いハイヒールの靴。
が、明日香は高すぎるヒールを履いてこけるほどかっこ悪くない。コツコツと、音を立てて、輝の横に並ぶ。
「じゃ、行こうか」ふたりで顔を合わせ、ニッと笑う。これが今日で最後だと思うと涙が出てくる。そんな涙を目の奥に押しやり、泣きたい気持ちも心の奥に押しやり、またニッと笑うとふたりで手をつないで出発した。


噴水広場から散歩5分。着いたのは丘の上公園。
ココは夜になると、最高に綺麗な星屑が見える。
そこで今日は四年に一度、うるう年の二月二十九日。
流星群が見られるなんて、何て嬉しいんだろう。
こんなにいい日なのに、二人はいつもより、寂しそうな顔。
悲しそうな顔。輝も明日香も、泣きそうな顔をしていた。....「明日香....ほんとにお前......?」そう、輝が言うと、
「あたし........家出、しようかな。だって、輝と離れたくないし.....」
輝はドキッとして、明日香を見ると、
「駄目だ。それはいけないと思う。俺だって、明日香とは離れたくない。絶対に。もし、富士瓦高に明日香が、いかなくてもいいなら、俺、超嬉しい。無理なら、無理にでも、俺が、富士瓦、行きたいくらい。だけど....運命なんだよ。仕方ないんだ。お父さん、お母さんをそんなに困らせちゃ、いけないよ?ね、メール交換だって出来るだろ?携帯持ってるんだから、話だって出来るし、な?」
輝は泣き目をこすりながら、一息に言った。

嫌いでもないのに、恋人と離れるほどの悲しいことは無い。そう分かっていたけれど、輝は明日香に、家出をやめさせた。悲しいけれど、そのほうが、明日香のためだ。
「ほら、もうすぐ流星群が来るよ。お願いしよう。自分の好きなことをだよ」輝がいい、二人は手を合わせ、二人でお願いを言った。

「明日香ト、イッショニ居ラレマスヨウニ!!」
「輝ト、イッショニ居ラレマスヨウニ!!」

二人の願い事は一緒だった。
「やったぁ...♫」輝はつぶやいた。
それにきづいた明日香は、「ヤッタァ!!って、何が??」

「あのね、明日香と願い事が一緒だったら、きっと一生一緒にいられるんだよ!!」
輝が説明すると。

「本当ッ!?やったぁ♬これで、輝と離れないかもしれないのッ?嬉しい!」明日香も言う。二人で手を握り合いながら、夜の星空を眺めていた。

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  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

流星の降る夜~第二巻~

第二巻で-す♪
こっちもよろしくぅ♫

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投稿日:2012/03/07 22:26:27

文字数:1,228文字

カテゴリ:小説

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