世界の終わりの夕暮れに 
君が星を捕まえに行こうと言った
オレンジに染まる空
私の部屋のドアをバタンと開けて

「あの丘の向こうまで行こうよ」
薄暗い玄関(ポーチ)の中で白い歯が光る
君の笑顔に誘われて
私もうなずき部屋を飛び出した

二人で手に手を取り走り出す
壊れていく街の喧騒を駆け抜けて
誰も気づかない、今こそチャンスだから
夢見てたあの場所へ

終末の夜に星を見て
二人で笑った 刹那のキオク
止まった時計とか 白紙の日記帳とか
全部投げ捨てて

夢中で駆ける風の中で
二人の最後の瞬間(とき)はきらきら輝きだす
傾いてく太陽を急いで追い越したら
世界が一番きれいに見える場所へ


それはとても儚くて
終わりゆく今からすれば滑稽だけど
「信じられる?君は」
分かりきったような問いを投げてよこす

「僕はとても信じられないんだ、
今夜で世界が終わってしまうなんて」
じっとしているのが嫌だったんだ、そうでしょ?
だって私も同じだから

水満ちる青い草原の果て
二人の上の太陽がいい感じで落ちていく
あの丘を越える頃には きっと真っ暗ね
夢の続きを始めよう

終末の夜に星を見て
鼓動を感じあった 刹那のキオク
咲きそうなツボミとか めくれないカレンダーとか
すべて投げ捨てて

つないだ手の温もり通して
残された二人の生命(いのち)は輝きだす
ひもの解けた靴を脱ぎ捨て走り出したら
世界が一番きれいに見える場所へ


「こうして来る間に考えてたんだけど」
君がふと気づいたように口に出す
「これは終わりじゃなくて 始まりじゃないのかな」
砂時計をひっくり返すように 落ちた刻(とき)をもう一度流すための
そうしてカミサマが仕組んだ
きれいすぎる意地悪だと言うの!?


「あっ、ご覧よ」


その時二人の頭の上で
宇宙(そら)中の星が 一気に流れだした
言いかけた言葉とか こみあげた涙とか
みんな押し流すように

両瞳(め)に星の光を宿して
輝く君の横顔見て 私も思いだした
「そうか、これは始まりなんだ」
新しく輝ける、世界の始まり


終末の夜に星を見て
二人で探しに行った 未来へのキボウ
描いてた明日とか 繰り返す約束(ルール)とか
もうみんな投げ捨てて

流れてくる星を掴んで
君が大切に抱えて私に差し出した
「ほら」 はにかんで見せたその手の中には
ヒカリ輝く新しい世界


時計が動き出す

ライセンス

  • 非営利目的に限ります

終末スターゲイザー

世界が終わる日の夜に、星を捕まえに行く二人の話。
「これは終わりじゃなくて、始まりなんだ。」


世界崩壊系っていうとどうしても暗くなるので、希望の持てる終末をイメージして書きました。ちょうどみずがめ座デルタ流星群が近づいてたので、そのまま流れ星の話になっちゃいました。

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投稿日:2013/08/21 14:37:11

文字数:1,008文字

カテゴリ:歌詞

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