1A
種になる前に
ちぎられた花
胸が痛み
すごく悔しかったけれど
その茎に触れて
思い出した

1B
種のかたちには
なれなかったでも
このこころに
貴方は種を残した
思い出の
優しい種を

1S1
その想いの花は
今でもこころに咲く
形なくとも
なにより綺麗

1S2
美しいもの
醜いものも
形をなくした
想いなら
どちらもきっと綺麗


2A
白鳥のように
咲いた花びら
思い出すの
夏の朝に咲く翼が
本当に綺麗
愛しかった（かなしかった）

2B
見るたびにずっと
苦しくてけれど
夏が来たら
あの朝日がこの胸に
ここよって
花を咲かせて


2S1
枯れるのを眺めて
白い白鳥の花
その花びらで
胸にポプリを

2S2
花だけじゃない
ちいさなその葉
手のひらみたいに
包み込む
胸に煌めく雫


ひらがなver.

1A
たねになるまえに
ちぎられたはな
むねがいたみ
すごくくやしかったけれど
そのくきにふれて
おもいだした

1B
たねのかたちには
なれなかったでも
このこころに
あなたはたねをのこした
おもいでの
やさしいたねを

1S1
そのおもいのはなは
いまでもこころにさく
かたちなくとも
なによりきれい

1S2
うつくしいもの
みにくいものも
かたちをなくした
おもいなら
どちらもきっときれい

2A
はくちょうのように
さいたはなびら
おもいだすの
なつのあさにさくつばさが
ほんとうにきれい
かなしかった

2B
みるたびにずっと
くるしくてけれど
なつがきたら
あのあさひがこのむねに
ここよって
はなをさかせて


2S1
かれるのをながめて
しろいはくちょうのはな
そのはなびらで
むねにぽぷりを

2S2
はなだけじゃない
ちいさなそのは
てのひらみたいに
つつみこむ
むねにきらめくしずく