最近の投稿作品 (498)
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テンシガエリ
突発的偶然性の首輪が締まって
絶対的運命性の退路が断たれて
今日も昨日と同じと思っていた
眠りの合間に空へと帰った
天使の暇(いとま)は一瞬だった
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ルール
観測の末に「やっぱり」知った
騒動の夜に「だろうね」言った
知ったかぶりはいつも制裁の↓(した)にいるのに
怪訝な顔で あなたを見れば
嘘八百 表外漢字の魑魅魍魎で
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ビター
先の終わりは運命だって
見ようと言おうと張り裂けそうな
カルキの匂い 君の心に
頭上を遠く 夢が遠のく
目をつむったままの橋守
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傘日和
しとど濡らす世界をまるっきり
関心もないように色は濃くなってゆく
誰もいないかのように
しるく見える曇りに伝っている
漫然と吐くような声は浮かんでゆく
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Letter
飼い慣らされた現実に
打ちひしがれたこの頃に
忘れたはずのなにがしに少し手紙をしたためよう
使い古された常套句
色の褪せきった美辞麗句
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夜明けを
夜に眩(くら)んで 眠れなくなって
ワクワクとドキドキが
競(せ)り合って引き分けたら夢の世界へ
脈絡もないけれど 信じる気持ちはただひとつ
煌めいて 輝いて
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君よ、泥濘に咲いて。
君よ、泥濘に咲いて。
安らぎに埋没した彼は
溶けた向上心のかけらを指先からこぼした
悲しみを押し殺した彼女は
誰が往生しても涙をこぼすことはなかった
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スイセイ
14-15-19-14-15-23
手帳に書き連ねた約束
守れそうなものはひとつもない
閉じる音が責めるように部屋に響いた
窓辺に立ち尽くしているだけ
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フレームシティ
窓越しから見える君の後ろ姿
伸びきった影の終着は行方知れず
思い出から消える君の笑う姿
閉じ切った部屋の明るさは真っ暗闇
口を覆う街を抜ける 咳込んだらそこで終わり
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酸ライト
行動だけのデュラハン
構想だけでクラクラ
妄想 論争 相反
感情 理想が届かない
酸っぱい光をバックに
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夜泣キ
いとけない憧れが溶けた夜の下
暗く 蒙(くら)く 星も消えてしまった
歌が歌う 「疑うことを知った自分を」
人の 影を 追って泣いてしまった
太陽なんてやつがみんなを照らすから
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月になる
星に手は届かない
そんなこと誰だって知ってる
星の夜に憧れ
朝になる毎日を疎んだ
黒はない 紺もない
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もやのかかる日
自分の感覚に落とし込めない天気の下
二日酔いの頭がやけに冴える
体も洗わずに潜り込んでた布団をどけ
中身のない財布を腰に差した
雲ひとつない青 がらんどうな空色
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一羽兎
一羽兎は月明かりの下で
孤独な歌を夜へ流した
誰も知らない 儚き日の夢に
理想を愛を今に繋げる
髪に飾るは希望
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Believe
15+13+15+11
気にしてないふりが得意だから
不安になる毎日だけど
とらわれないふうが素敵だから
もっともっと好きになる
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フィクルフィーバー
12+11+16+13
熱しやすくて 冷めやすい
変わるがわるこの心
続かない 話を続けようとも
引き止めてくれるものはない