ブックマークした作品
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その眼差しは
他の誰も知らない
自分の眸の
色さえも知らない
鏡ひとつない部屋で
真昼を吐き出すラプンツェル
その両足は
外の道を知らない
窓の下にある
芝生さえ知らない...ラプンツェルの心臓
吹憐
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午前零時のコール 光りだした画面を割って
匿名のメッセージ 飛行機になり飛び立ってく
待ち合わせ場所へは 空も翔けてゆくパンプスで
風の騒ぐ音に あなたの呼び声が混じりだす
走り抜けてゆく 黒いアスファルトに
星が降り注ぐ夜
Parade night
Starlight
ミラーボール満月 影を抱き寄...Mr.Light【曲先】
吹憐
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散々愛して思ったことは
なんだやっぱりこんなものだ
皮肉にもそれに気づいた朝に
君は素足で珈琲を淹れた
午前七時と夜更けの夢が
煙になって混ざって消える
そこにあるラヴソング
拾ってよ
折れているかもしれないけれど
そしたら綺麗に貼りつけて...エレジスト
吹憐
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【A】
今日届いた光は
大昔のものだと
君は自慢げに笑った
僕もそれは知ってたけど
【A2】
なぜだか君が言うと
世界が熱を持って
小さなもの見えないもの
すべて輝いた...光信号
紗羽(さわ)
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君がきっと忘れてしまうことを
一つ二つと数えています
傍にいるのに寂しく思うのは
隣り合うたび果てしない距離を知るからです
何億光年先に駆け抜けた
あの星の光を語るのと
変わらない深さで君を語って
僕の中に見出そうと漁っているのです
その罪の底までを測るよ
ロンディーノ...ロンディーノ
吹憐
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君があまりにゆっくりと
この線を歩いていくから
僕はさよならが言えない
もう腕は届かないのに
君があまりに清潔な
さよならを残していくから
僕は涙も流せない
すべては汚れのようで
この感情の裏も表も
途端に醜く見える...ライン
吹憐
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鉄塔の上に立って
目を閉じて耳を澄ませば
聞こえてくる
眩暈のような優しい声
気の遠くなるくらいに
待ち続けて待ち惚けた
なんて嘘さ
ずっと支度をしていたんだ
ゴーグル越しの夜空
何も怖くはない...新世界へ
吹憐
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大きな約束は
してくれなくていいよ
貴方の呼吸を
乱すつもりはないの
とてつもないような
話は必要ない
私の微熱は
うつらないままでいい
溜め息で侵された
部屋に花を飾るのは...Background music room【曲・動画有】
吹憐
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光注ぐ窓 根を張った白いベッドに
優しく座る幼い君に水を手渡していた
それだけの日々も やがて温かくなって
集めた希望は 黄色い花を咲かせた
「笑ってよ」
待ち望んだ朝 その始まりに吹く風はふわり
喜んだ君をさらい どこかへ消えた
日は昇り 青く澄んだ朝 その雨上がりの風はそっと
君の手を握り 音も...『transmigration』
ふたみん
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浅い夢の淵をふらふらりくらり
歩いてゆく夢を見て幾、幾夜
遠回りな羊の声に止めた足を
褪めた色の魚が潜り抜ける
いついつまでも君を胸に抱いて
世界の目を眩ませてしまえたら幸せだね
研ぎ澄まされたエメラルド・グリーンの
その眼差しに溺れて終わりたい
刻々と流れていく
この情を何と呼べば愛に成るの?...地下翠
吹憐
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曖昧なバラアド 君は風化した
甘い金木犀の薫りで
投げ出した指を包まれたなら
やがて静かに眠るんだ
雨上がりの土の下で
多分 待っていた
春先の日に似た温かな
君の爪先を
誰かに捧げてしまえるような
柔らかな心なら...グレイゲイト
吹憐
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風が木々を、
僕の頬を撫でる
君の髪が、
木漏れ日が揺れる
思い出す
けして多くない欠片を
やわらかい微笑みに
傷ついた心が
今日も詩を謡う
失った覚えはない...【合作】失われない恋
紗羽(さわ)
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君を手に入れようなんて
それは君の幸せではないから。
これからも指が触れ合えたら
それでいいから。
欲しい、本当は欲しい。
愛しい、誰よりも愛しい。
だからこの恋はおしまい。
恋い焦がれる僕を撃ち殺す。
そしてそっと君のため...僕のウェルテル
紗羽(さわ)