ブクマつながり
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季節のまじわる音に
まいごの指をたわめて
夜な夜な もぐり込む影
誰しもなまえをためらう
磨り硝子のむこうで
ひかりも闇もみている
ここでも呼ばれている
くり返されている
ああ その唄は
なぐさめに錨を下ろして...よなぎ
いちはる
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つめたい洗濯物には
晩の寂しさが忍んでいる
さすった肌の折り目では
砂糖の溶けきった香りがする
冬の朝 曇り窓
たしかに あなたの
やさしい呻めきが
耳を撫でたんだ
花の季節はおわり
まぼろしが僕を見た...ロマンス・スポット
いちはる
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つめたく甘いフォルム
芙蓉のつゆ ふくまず
いられないわたしは
手の内も知らず知らず
虹彩の綺麗なそれ
こちらにもわかるように
見せておくれ
妖しいかげが
その指に触れても
なんともないんでしょう...うつくしいひと
いちはる
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1a
さあ夜が壊れたら
一緒に隠れよう
あの子はこっそり
泪のつぶに潜る
1b
8mg(ミリ)ほどの
甘やかな栄養
あなたの内の
たったそれだけ...リリー
いちはる
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1a
暗いピンクの盲点
パラソルを突き立てた
やわらかな大地の穴
汗のかわいたブラウス
やすらぎの胸のなか
夕立を誘っておいで
1b
三回逢えたら 夢を育てて
教えてもいいよ 愛するならば...淡いうねり
いちはる
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はだいろの日差しが
とどまる 2Fの喫茶店
おしゃべりの代わりに
氷の残りをまぜる音
手をまねかなくても
わかるよ 奇妙なともだち
サンダルの指をむすんで
たぶん同じこと気にしてる
ぎこちない息のあいだに
平行線 いつも久しぶり...サンダルに傷
いちはる
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1a
熱っぽい最初の合図
半透明な夜のうちは
指切りをしてベットに
ふたり潜って心中した
1b
正直わるくはないね
きみに秘密で煙草吸いたい
ゴム臭い指で手に入れて
罪悪感にあまやかされたい...チュール
いちはる
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西日 容赦なく
団地ゆきのバスは
冷房もきかない
きみの日傘の
手摺に揺れるのを
遠くから見ている
3度目の夏
媚びるゆめのように
笑いかける きみは
生活の顔...団地
いちはる
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1a
君のうす暗い部屋の
夜はずっとそのまま
褪せた仄白いブルー
遠いエンジンの音
1b
このつよい香りは
硬い素肌に触れて
四月のけはいを知る
1s...さよなら、三月
いちはる
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1a
午前0時 記憶とんじゃう
お酒 まわる 胸やけもする
午前1時 愛されている
すごく 綺麗 汚いところ
1b
まいにち 涸(から)になるたび
ピルケース しまっておくね
1s
mimi ふざけて鳴いて...mimi
いちはる
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A1
嬰れるところが
痒くなっていく
女になっていく
それが良かった
わるい噂を
知りたがっている
悟りたがっている
それで良かった
S1...やけど
いちはる
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1a
夜の匂いに焚きつけた
やさしいプレイリスト
終わらない照明灯
まつげの翳り
窓ガラスを走る街に
横目でさよならした
土曜の夜にしては
切なすぎてね
1b...Sat
いちはる
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はためく帆の色さえ
気にも留めないのです
沖ではなにもかも見える
あなたの卑しさまで
波にさからえず
還っていく
貝色のまなざし
正直 あなたを刺す
妄想をしていました
砂の肌 ひかっていました...海ばら
いちはる
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きのうっていつのきのう?
アイスはさきっぽばかり甘くて
美味しいところは夜がかじった。
ばかみたいに
気にしいだから
じぶんのことと
いっしょくたになってしまう
舟を出そうか
そのシーツで充分だ
雪は降らないよ...レモンの舟
ねこみ(cat nap)
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画面で潰れてる虫の死骸が
彼の名前と重なっている
惰性でつづけてる約束に
真実が覗いてても
I see 賢い彼女は
煙の匂いのする爪で
唇を拭ったまま
静かにないている
まるごと頬張っても
芯は棄てちゃっていいよ...フルーツ
いちはる
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1A
わるい天使のウインク
街灯のユートピア
ひみつにしてね 出会いも
この部屋も うそをついて
1B
ゆめをみて 見つけあって
平日の夜に 鍵をかけた
1S
でんわが鳴って...odd pair
いちはる
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1a
刺さらない左手の甘さ
いっそう危険なサイレン
くだらない話の後でも
泣くことは退屈だった
1b
ぴりぴりする舌先が
ちょっと悔しいな
リバーサイド ミッドナイト ラララ
1s...リバーサイド
いちはる