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ぞくり、と変な悪寒が背筋を震わせた。
「世良?」
小首をかしげて、さらさらの真っ直ぐな金髪を揺らしながら奈々が心配そうに私を見た。
「気にしないで。一瞬…寒気がしただけ。」
「風邪かな?世良最近人混みにいること多いから」
「居たくているわけじゃ、ない。」
大勢の人がいるところはまだ慣れないし、人と目...私たちの花物語 ゼラニウムの不安、彼岸花の敵意
鈴猫(りんねこ)
あと一限で午前中の授業は終わる。
ちなみに四時限目は担当の教師が休みのため自習だ。
クラスの連中も実質今からの長い休み時間に浮かれている。
既にぐっすりと昼寝をしている奴もちらほら見受けられた。
かくいう俺も、教師にうまく見つからない程度に校舎を徘徊しようと考えてたりする。
携帯を片手にさてどこふら...私たちの花物語 紫君子欄への想い
鈴猫(りんねこ)
お昼休み。
私は世良に連れられて裏庭へ続く通路を歩いていた。
登校中、世良はお昼を一緒にしようと切り出してから、私が話さない代わりに一生懸命に会話を続けようとたどたどしく自分の話や勉強の話をしてくれた。
私はそんな世良を見て、少しずつ調子を戻していった。
おかげで学校に着くころにはいつも通りに話す程...私たちの花物語 紫君子欄の光
鈴猫(りんねこ)
午前5時45分。
目覚まし時計も何もなく私は目が覚めた。
ベッドから足を下し掛布団だけきっちりたたむ。
朝食を適当にパンで済ませたら制服に着替える。
白いブラウスに首元には学校指定の黒い紐リボン、茶色でチェックの少しオシャレなデザインのスカート。
スカートの丈は膝ちょうどあたり。
髪型を変えたり伊達...私たちの花物語 紫君子欄の揺らぎ
鈴猫(りんねこ)
目の前にいる赤毛の少女はどうやら冗談で私に消えろと言っているわけではないらしい。
なぜ彼女がそんなことを言うのか、そんな理由は容易に察することができた。
「奈々に、近づかないでくれる?すごく目障りよ。今朝から奈々にずっとまとわりついて。貴方、なんなの?」
敵意をむき出しにして鋭い言葉を私に次々と投げ...私たちの花物語 ゼラニウムと曼珠沙華の衝突
鈴猫(りんねこ)
昼休みになった。
あたりはざわつき、楽しそうな話し声が聞こえてくる。
教室で近くの机同士をくっつけてお弁当を広げる者。
学食へ急ぐ者。購買へ行く者。
お昼の過ごし方は皆それぞれだった。
もちろん人が苦手な私は、教室でお弁当を広げたり、学食に行くなんてこともしない。
購買で適当にパンを買い、裏庭へ移動...私たちの花物語 ゼラニウムの涙
鈴猫(りんねこ)