タグ:奪われた
5件
僕と君が出会う前から 君のこと知ってるあいつが憎らしくて
どんなに距離を縮めても 君とあいつみたいになれなくて
胸の中 痛みでいっぱいになった 僕はまるで透明人間みたい
ここに僕の居場所はないのかい? ねぇ ないのかい?
零れ落ちる 溢れ出す 痛みと涙 置く場所もない
君の心に届かない 僕はただの透...×恋
ニコル
円柱状の機械。ガラスの壁には四角く切り取られたドアがあり、機械の操作で開閉するのだが、それが作動していないようだ。
ルカは大きく舌を打ち、もう一度ミクの名を呼ぶ。
「や…めて……。私の、歌……」
震える腕を持ち上げて、ふよりと宙に浮かぶ色とりどりの球体に手を伸ばす。
指先が赤色を捉えるよりも...VOCALOID-奪われた歌 1-4
百磨万
ガラス越しに二人の手が重なる。
部屋に満ちていた歌が止み、一瞬の静寂。
「何をやってんのよ、あんたは」
その後に、呆れと安堵の入り混じった複雑な表情で、女性が言う。ガラスに阻まれその声はくもっていたが、ミクの耳にはしっかりと届いた。
「うん、ごめんね。……ありがとう、ルカ」
心配をかけた謝罪...VOCALOID-奪われた歌 1-3
百磨万
ちょ う だ い ?
求められているのは、時の流れを知らない、「初音ミク」として動くこの身体。
カタリ、カタリ。震える、美しい声音を生む唇。血の通わないはずのそれが、心なしか青く見える。
頼りない口元を動かし、
「い…や……、いやっ! 嫌っ!」
ミクの、必死の拒絶。それを表示するように頭を...VOCALOID-奪われた歌 1-2
百磨万
1.
ビ――――― ビ―――――
ビ――――― ビ―――――
耳の鼓膜を強く打ちつけ、突き破らんとするけたたましい音。鳴り止む様子はない。
その音に掻き消されそうになりながら、人々が怒号に近い声を張り上げている。
「何だ?! 何が起こっている?!」
「エラーです!!」
「何かが彼女の中に侵入...VOCALOID-奪われた歌 1-1
百磨万