タグ：御伽話

A1
シナリオ通りの物語　
待ち時間は退屈だから遊んでよ
狼さんのお姫様抱っこ
今だけは私の王子様なの
B1
本番まであと何秒？
チクタクチクタク時は進む
険しい顔に変わる君の横顔
あんまり好きじゃないな...

皇土(おうど)を蝕みゆく暗雲　雪の色
埋(うず)められた太陽が闇に泣いている
凍風(いてかぜ)に攫われた幼い肖像は
足跡を見失って震えていた
時計塔の針は一時を指して止まる
錆びついたままの振り子が胸に痛い
棘草(いらくさ)に覆われた　悲しきフェリスホイール
それでもまた繰り返したよ、愚かな人類は
...

今日も流れる０と１相手に　忙しい収蔵(ストレージ)作業
電子世界の議事録司書　それが僕の役目
望まれて命作られ　拝領せし名前は「預言者(イリヤ)」
網目(ネット)の分かれ道あちこち歩き　ウグイスの手紙(メール)を受け取る
仮想の巨大図書館司書　那由多の知識から
未来さえ予測し答える　自律電子情報管理...

霧の夜
水上(みなかみ)に月満ち満ちて、
図南(となん)の志あり
田畑(でんぱた)に
紅(あか)き花は散りて
穢土は清められん。
　昔々、荒れ野を行く勇士は
　ある時三本の分かれ道に出会ったそうな。
　“右に行けば富を　左に行けば名誉を　
　真ん中に行けば愛を差し上げましょう...

とある家独り　涙する少女
きっと　そっと　ずっと
見守ってた魔女は
「あなたもパーティーへ　行かせてあげましょ」
言って　立って　パって
魔法をかけた
見違えた少女　鏡に映ってる
金色（こんじき）のドレス姿
見て涙　拭いた
時間はあまりない...

「薄い膜　貼られた空
上辺だけ…　覗いたなら
全てが　逆さま　アリス世界」
「信じてた　言葉達も
見せ掛けの…　無重力に
全てを　忘れて　瞳閉じて」
「この手を握り締め　絆や
永遠も　捨てて…」
「悲しみや苦しみから　離脱出来る
魔法を　教えよう...

もう後悔しないから　アナタを手に入れる
夢で会いましょ　キミの
夢御伽話
真昼を告げる　鐘の音
はばたくのは　白い鳥達
待ち娘の花売りが　嘘の微笑みを見せ　花歌う
不快な眠りは終りにしよう
真っ直ぐ前見て　空をさす天空の塔
ごきげんよう　愛しいお嬢さん
さぁ不思議な壺に嘘を吐き捨てて...