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儚い言葉ね
「迎えに行くよ、待ってて。」
時を重ね、季節が巡ってもまだ、信じて待ってる
はらりと雪が舞い散る。
身も凍る様な寒さの中、二人の幼子が身を寄せ合っていた。
一人は大きく、透き通った新緑の色の瞳に涙をたたえ、震えている。
もう一人は、青空を写した様な美しい蒼の瞳を伏せ、震える少女を守るよう...雨夢楼
るな
二人が吉原に来て一週間が過ぎた。
「きょう・・・これ、きょう!」
花魁・巡音は、新しく禿となった二人に新しい名を与えた。
「花凜、貴女の事よ」
美久が小声でそう言って、ぼぅっと宙を見つめる花凜を突く。
「あ、はい! 失礼しました、おいらん」
「違う」
己の失態に気付いた花凜は「またやっちゃった」と...【ひとしずくPオリジナル】雨夢楼・4 ~引き込み禿の二人~
零奈@受験生につき更新低下・・・
ミク・・・?
【振り続ける、雨 リンver,】
え・・・。
ミクが・・・死?
私は噂でそんな事を聞いた。
本当に・・・?
私はすぐにミクの家へ向かった。
そこで見たミクの顔は―
いつものミクじゃなかった。
白い顔、二度と開かない瞳。...【振り続ける、雨 リンver,】
姉音香凛
しとしと降り注ぐ雨。
それはまるで、陰る空が零した涙。
それはまるで、私の涙。
【振り続ける、雨。】
私は、雨が嫌い。
まあ、理由はたくさんあるけど、
①服が濡れるから。
私の大切な服が濡れてしまう。
②私の心が寂しくなる。
雨はなぜか私を寂しくさせる。...【振り続ける、雨。】
姉音香凛
雪道を走る馬車は、やがて花街・吉原に辿り着いた。
空はとうに宵闇に覆われ、蛍火に似た行灯がぼんやりと辺りを照らしている。野太い男の声。女達の嬌声。笛に太鼓、三味線の音。季節外れの祭のような賑やかさは、花凜達の目に新鮮に映った。けばけばしいまでに飾り立てられた街の通りを一本入ると、明かりが消えたように...【勝手小説】雨夢楼・3 ~巡音という華~
零奈@受験生につき更新低下・・・
はらりひらりと雪が舞う、寒い冬の夜だった。白が降りしきる中、一台の馬車が山道を走る。
馬車の中には12、3人程の子供が、怯えた目で周囲を見渡していた。皆10にも満たない女童ばかりで、薄汚れた着物を着ている。
「ねぇ、」
声を発したのは、淡い茜色の着物に緋色の帯をした少女だった。黄金色の髪も空色の瞳も...【勝手小説】雨夢楼・2 ~雪の夜の約束~
零奈@受験生につき更新低下・・・
あてんしょん!!
これは零奈がひとしずくP様の「雨夢楼」を聞いて勝手に書いた物です。
なお、「恋闇楼」は聞いてませんのであしからずです。
2次創作嫌い、とか零奈嫌い、な方は迷わずUターン推奨です。
ではでは↓
『雨夢楼・1 ~宵闇の雨~』
しとしとと、柔らかな音で雨が降る。
夕暮れも絶えて久しく、空...【勝手小説】雨夢楼・1 ~宵闇の雨~
零奈@受験生につき更新低下・・・
思い出には、色褪せないものがある。
この記憶もその一つ。
誰にも言ったことはないけれど、私の大切な宝物としてしっかり心の中にしまわれている。
『頑張ろうね、ミクちゃん』
『うん…ね、リンちゃん』
『なあに?』
『お勤めが終わったとき…いつになるか分からないけど、一緒にお外を歩こう?』
それは...それは終わる事なく・リン
翔破
「貴方の言葉は、甘いだけの砂糖菓子。口に含めど後には何も残りません」
彼女はそう言って、短い髪を掻き上げた。
雨の多い土地、襖の外からは絶え間無い雨垂れの音が伝わって来る。
その音を背に、俺は小さく苦笑した。
<それは終わる事なく・レン>
「それはまた手厳しい」
「率直に言え、とおっしゃったの...それは終わる事なく・レン
翔破
雨が降れば蝶は飛べない
光が無ければ花も見えない
だから言葉一つを縁と頼って、私は今日も貴方を待つのです…
<それは止む事なく・ミク>
あら。
ふと視界の端に映り込んだ金色の色彩に、私は何とは無しに足を止めた。
生け垣の向こうでちらちらと見え隠れしていたその色は、よく見ると一人でなく二人...それは終わる事なく・ミク
翔破