儚い言葉ね

「迎えに行くよ、待ってて。」

時を重ね、季節が巡ってもまだ、信じて待ってる





はらりと雪が舞い散る。
身も凍る様な寒さの中、二人の幼子が身を寄せ合っていた。

一人は大きく、透き通った新緑の色の瞳に涙をたたえ、震えている。

もう一人は、青空を写した様な美しい蒼の瞳を伏せ、震える少女を守るように抱き締める。

二人は、まるで人形のように整った顔立ちをしていたが、二人の身に纏う着物は間違っても、上等と呼べる品物ではなかった。

「さむい・・・。」

瞳と同じ、新緑の髪の少女がポツリと呟く。

「ねぇ、おうちかえろうよ・・・。」
「帰らない。帰れないのよ。」

蒼の瞳の、太陽の様な金色の髪を持った少女が、それにハッキリとした口調で言い返す。

「どうして?おかあさんしんぱいしてるかも、

「っ!あんな人が心配なんてしてるわけ無いでしょ!」

・・・なんで?」

「それは・・・、」

新緑の少女の問いに、金髪の少女は、思わず口ごもる。
何も分かっていない新緑の少女に、金髪の少女は本当の事なんて言えなかった。

親に捨てられた、などと。

「ねぇ、かえろうよぉ。」

再び、新緑の少女が言う。その瞳にはもう溢れそうなほど涙が溜まっている。

それに我に返った金髪の少女が、なるべく優しげな声色で新緑の少女を宥めた。

「今は無理なのよ。でも、いつかきっと、家に帰れるわ。」

「そしたら、今度はずっと一緒にいようね?お母様と共に。」

「・・・ほんとうに?」

「ええ、勿論!はい、指切り!」

「「うそついたら針千本のーます!」」





「私、貴女が居るだけで幸せだったの。本当よ?」
「約束、破ってしまったけれど、許してね。」





…雨が降り続く中、美しい花魁の姿をした女がそこに立っていた。
道の彼方を見つめ、誰かを待っているかのような顔で遠くを見つめていた。


一人、たった一人でずっと。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
  • 作者の氏名を表示して下さい

雨夢楼

すっごい中途半端に終わってしまった・・・。
いやでも、これ以上書いたら長くなってしまいそうだし・・・。
どっかのBad End Nightみたいに途中で投げ出してしまいそうだし・・・。
雨夢楼すごく好きなので、作風を壊したくなかったし・・・。



以上、言い訳でした。
誤字脱字などが御座いましたら、ご指摘くださいませ。
こんなの雨夢楼じゃない!と、言われてor思っても、私の勝手な解釈ですので、修正は致しません。

閲覧数:521

投稿日:2014/05/03 20:49:00

文字数:819文字

カテゴリ:小説

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