タグ:Alone
7件
7.
……。
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柳隆弘君が行方不明になってから一週間後、彼は無残な姿で見つかった。
そのときのクラスの雰囲気は、正直に言って、最悪だとしか思えなかった。
クラスメイトは悲しむ様子など見せず、あまつさえ鼻で笑っていたのだ。あいつ死んだってよ、あーあ、笑えるやつがいなくなっちま...Alone 7 ※2次創作
周雷文吾
6.
「柳君、私が君のことを許すよ」
あのとき、柳君の背中に告げられなかった言葉。
それをつぶやいて、私はかぶりを振るしかなかった。
学校からはかなり離れたところにある、海沿いの自然公園。そんなところに、私はやってきていた。
入り江になったところには、小さいけれど砂浜がある。海に入れる時期で...Alone 6 ※2次創作
周雷文吾
5.
学校が終わってから塾が始まるまでの、少しだけ空いた時間。それが私にとって唯一、自由と呼べる時間だった。
図書館に行ったり買い物をしたり、買い食いをしてみたり。それは一時間もないけれど、その短い間だけはささやかな自由を満喫する。
このとき、私はいつも一人だ。誰かとそういうことをしたことなん...Alone 5 ※2次創作
周雷文吾
4.
「――でさ、それでね、あいつったらなに言ったと思う?」
「なに、またバカみたいなくっさいセリフ吐いたわけ?」
「そーそー。『君のことは俺が絶対守るから』だって。アホらし。誰があいつなんかと同じことするかっての」
「あははっ、キリひっど。キリの猫かぶりっぷりはホントハンパないよねー」
「ちょっと...Alone 4 ※2次創作
周雷文吾
3.
「……」
昼休み。
私は校舎の階段の一番上にやってきていた。
屋上の扉は施錠されている。だから、滅多なことではこんなところに人は来ない。
ここは、誰とも一緒にいたくなかった彼の逃げ場所だった。そして今では、私の逃げ場所になっている。
彼は毎日、授業が終わるたびにここへとやってきては、...Alone 3 ※2次創作
周雷文吾
2.
『うん……ごめん、大丈夫だから』
そんな風に言って、まるで拒絶するみたいに彼がうつむいていたのが、たった三ヶ月前のことだなんて信じられない。
あのとき、私はあきらめるべきじゃなかった。無理にでも教室の外に引っ張っていって、あんな先生やクラスメイトのいないところに連れて行くべきだったんだ。
...Alone 2 ※2次創作
周雷文吾
Alone ※二次創作
1.
孤独。
その言葉の本当の意味を、最近までわかっていなかった。
人とは、他者がどれだけ近くにいようとも、孤独になれる。そう、彼は結局のところ、おそらくは一番近くにいたであろう私にも、心を開いてはくれなかったのだ。
私だけは、彼の味方のつもりだった。私だけは、彼の苦...Alone 1 ※2次創作
周雷文吾