最近の投稿作品 (10)
- まーた寒い格好して
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ラムひとしずく(カイメイ小説)
朝からキッチンがにぎやかだ。
伸びやかな高音に、室内だからか控えめなビブラート。
メイコの気軽な歌声を、近くで聞けるこのリビングはどんなスタジオよりも贅沢な場所かもしれない。
選曲はバラバラで、最新曲が続いたと思ったら随分と懐かしいものを歌ったりもしていた。
中には俺とのデュエットもある。もちろんある。
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どき どき (カイメイ小説)
とん、とん、とん
生まれる前から聞こえていた。
近くで、遠くで、隣で。
自分のものとよく似た音。
だけど他の誰にもない音。
- めーちゃんはぴば!!!!
- カイメイ
- KAITO
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ケーキケーキケーキ(カイメイ小説)
何か特別なことがあったわけでもない。
何となく、目についたから。本当にそれだけ。
小さな白い箱を手に、メイコは自室に帰った。
箱からは微かにクリームとバターの柔らかな香りがもれている。
帰りしなに、ふと目に入ったケーキ店。
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コーヒーホリディ(カイメイ小説)
休日、昼下がり、快晴。
それからソファにコーヒー。
なんて完璧な時間。
カイトはだらしなくソファにもたれながらプレーヤーの電源を切った。
サイドテーブルに詰まれたCDと歌詞カードの山は
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おんなじ(リンレン小説)
それは、とても良く晴れた日のこと。
降り注ぐ陽の光そのままに、黄色い髪を
後頭部でちょこんと結んだしっぽが歩く度にぴょこぴょこ揺れている。
その様子だけを見ていると、何とも陽気な図である。
しかしリンは知っていた。
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雨音(カイメイ小説)
覚えているのは、静かに続くノイズ音。
多くの音を知った今ならわかる。
あれは雨の音に、似ていた。
今日は散々だった。
依頼された仕事のために朝早くからスタジオ入りしたが