葵　彼方

君と共に歩いた 冬の通学路
粉雪が舞い踊る 幻想的に
白い息を吐いて 二人笑いながら
いつまでも続くよに 儚く願いかけた
粉雪が降る夜 に 公園のベンチに二人で
空を見つめて 言葉を重ねて
時に君が見せる儚い笑顔が好きです
帰り歩いた道は
どこまでも白い道
足跡を残してく 二人で歩いて...

それは遠く果てなき空を
思い抱くは空の彼方を
舞い踊るは青き機体が
全速力で
空に
雲を引いて儚く散って
思いのこるは誰の記憶か
恨む先は誰にすればと
涙流した
いますぐに解き放ち...

飛び立った
二度と帰らぬその空に
駆け抜ける
弾幕と黒煙のその空を
どこまでも
透き通り果てみゆる
空のさき
帰らぬと解っていながら
笑顔だし
飛び逝く...

あなたに挑んだ戦争は
はじき出した計算式と
はじき出した弾丸の
全弾回避のその先に
かすかに痛む心の傷を
私の胸に残していった
計算された私の行動は
鼓動の速度と比例して
あなたとの距離と反比例
私の想いのベクトルは...

出会えた奇跡と巡り会いの偶然が
赤い糸だと言うならば
きっとこれは神様のイタズラで
出会いに意図を紡いで結ぼう
絡めた糸が切れないように
運命に意図があると言うなら
小指の糸は誰の意図なの？
矛盾を紡ぐ話の中で
無に帰る意識が私を縛る
赤い細いその糸が...

日の満ちるこの部屋で
出会ったこの奇跡
きっと何か素敵な事が
きっとここから始まるんだね
何も変わらない
日々の流れでも
この場所に来たら
いつもと違う時間が待って
何かに間見込まれても
皆がいればそれで違って...

君と見たあの星空を私は忘れることは無いだろう
だって君がそばにいて最後に見た星空だから
記憶とともにしまっておこう
もう二度と見ることができない星空と共に
故郷を離れ月日は流れ
過ぎ行く時間に忙殺されて
何を望んでここにいるのか
それすら見失う世界の中で
ふと見上げた夜空の中に
星空なんて浮かんで無...

さよならなんて言わないで
何も言わなかったら忘れられるのに
好きだなんて言わないで
言わなかったら好きになんてならなかったのに
私の前で笑顔を見せないで
あなたの笑顔が恋しくなるから
でも素っ気ないそんな横顔も
本当は好きだったなんて
今更言えるわけないじゃない
だって今でも好きなんだから...

暗いそんな部屋から君を連れ出した
青くどこまでも続く空の中に
真っ白な飛行機雲を引きながら
青い青い大空へ君の手を取りながら
まだ先がある青空の彼方へ
銀翼をひるがえし背面飛行を繰り返し
君を乗せてどこまでも…
暗い部屋のテレビの中で君は自由に舞っていた
いつも笑顔でいつも楽しそうに
そんな姿に憧れ...