タグ「恋」のついた投稿作品一覧(33)
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第十一章
「暑いな…」汗ばむ身体と共に起きた朝。
寝惚けたまま、自室へと向かい音楽を流す。
朝、起きてから携帯の電源を入れる事もなく只、音楽だけを聴いていた。
今朝はぽつぽつと雨が降っていた。
いつもの事だが、香水を纏い、煙草を吸う。
呼吸を整えるかの様になるべくゆっくりと。
昨夜、準備して...月は嗤い、雨は鳴く
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第十章
気怠さを纏った「今日」という朝。
私は起き上がり、左の手首の痛みに「あぁ…そうか」と昨日のリスカを思い出していた。
腕捲りをし、自分で付けた傷を見ると、思いがけない程の大量の傷があった事に
驚いたのだが、昨日の私は自分を見失う程「辛かったのだろう」そう思う他無かった。
彼からのdmが...月は嗤い、雨は鳴く
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第九章
いつからだったろうか、彼からのdmが途切れる様になってきたのは。
私はすっかりと「孤独」に満ちた日々を相も変わらず過ごしていた。
季節はすっかりと桜の咲く時期になっていた。
「孤独」にされる事にもすっかりと慣れてしまい、誰とも会話もしない日々だった。
それでも、陽は昇り日...月は嗤い、雨は鳴く
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第八章
いつもは不快な気持ちで起きていた朝だったが、今朝はなんだかスッキリと起きれた様に感じた。
恐怖心という不安定な心を持ったまま、私は携帯の電源を入れる。
彼からの連絡は来ていた、今迄と変わらず「おはよ」と。
その連絡に酷く安堵し、私はこんな人初めてだな、と不思議な感覚になっ...月は嗤い、雨は鳴く
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第七章
「私ね、好きだよ…」とてつもない恐怖心を抱えたまま、伝える。
彼にとっては同情心だったかもしれない、それでも「俺もすきだよ」そう伝えてくれた。
私は、その文字を見て泣いていた。
「いつかは離れて行ってしまうかもしれない存在」に不覚にも涙が出てしまったのだ。
「すきだよ」その言葉を信...月は嗤い、雨は鳴く
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第六章
それから彼とのdmでのやり取りは深夜の2時頃まで続いた。
彼はとても不思議な感覚の人で、直ぐに仲良くなる事が出来た。
下心のなさそうな、会話をしてくれる人だった。
私の心を埋めてあげる、とも言ってくれた人。
「この人」の言葉を信じて良いのか分からなかったが、私はそ...月は嗤い、雨は鳴く
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第五章
いつもの様に不快感で起きた私は「期待」していたのか、自分でも未だに分からないのだが、
ぼんやりと携帯の電源を入れた。
私の精一杯の「勇気」は無駄だったようだった。
返事等来る筈もなかったからな、なんて自分を慰めるかのように呟きなんだかとてつもない「疲労感」が
身体を...月は嗤い、雨は鳴く
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第四章
早朝、4時頃まで起きていた私なのだが、やはり眠る事は出来なかった。
私の頭の中は色々と動いている様にも感じる。
今日は何をしよう、私が「楽しい」と思える事をしよう、そんな事を考えながらベッドから起き上がる。
洗顔を済ませ、私は「今日」という1日を楽しめる様に...月は嗤い、雨は鳴く
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第三章
昨夜はなんだか、嫌な夢を見ていた気がする。
朝とてつもない不快感で起きたのはきっと寝る前に来ていたdmのせいだろう。
起きてからもなかなかdmは見れずにいたが、一応謝っていたしな、なんて思いながら
私はぼーっとして過ごしていた。
何だか時間が過ぎていくのが早く感じ...月は嗤い、雨は鳴く
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第二章
私は昔を思い出して「戻りたいな」なんて思った事が1度たりともない。
過去の恋愛で沢山の「否定、怒声、拒絶、性の捌け口」。
そんな事を思い出しながら、昨日来ていたdmに目を通してみる事にした。
返事があったという事は「話はしたいのだろう」と、考え直したのだ。
人は話してみ...月は嗤い、雨は鳴く
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第一章
虚無感、孤独感、失望、人の「言葉」は凶器だと私は思う。
私にはパートナーが居る。
しかし、言葉を交わす事も目や顔を見合わせる事もない、只一緒にいるだけの様なパートナー。
笑いながら暴言を吐かれるような、そんな「最善ではないパートナー」だ。
最善でない事は私が一番良く分かっている。
私...月は嗤い、雨は鳴く
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最終章
瑠偉との不思議な生活は少しづつだが増えて来る様になっていた。
毎週、「水曜日」にだけ帰って来るだけだった関係だが、今では「水曜日と金曜日」に
なっていた。
彼との生活は私にとっては「幸せ」だと思わせてくれる生活だった。
今日は金曜日、いつもの時間に家のチャイムが鳴り、彼が家へと「ただいま...煙の行方
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第十一章
彼からのキスを拒まなかった私が「都合のいい女」になるのは
当たり前の事なのかもしれない。
それから3年程だろうか、身体の関係を続けてしまっていた。
会う日は決まって水曜日だった。
そんな堕ちぶれてしまった日々の中で主人が倒れてしまったのである。
それから、主人の世話に私は忙しくなり...煙の行方
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第十章
普段通りの生活の中で、彼が私を抱き締めてくれた香水や
優しく触れた心地よさは忘れられなかった。
2日経ったお昼頃にようやく彼からの連絡が入っていた。
「ごめん、少し忙しくて」そんな事を言っていた。
人にはそれぞれ時間配分があるし、予定もあるだろうし
「大丈夫だよ」そう答える事にした。
...煙の行方
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第九章
3週間後の水曜日にまた会う約束をして、私は彼の部屋を後にした。
帰り道の途中、喫煙所を見つけ私は煙草を吸おうと思い、立ち寄る事にした。
正直な所、「嬉しかった」それが何よりも私の本音だった。
私がふと思った身体を求められる事が無かったことが「嬉しかった」のである。
喫煙所に人...煙の行方
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第八章
彼と向き合って話をしていた数時間は楽しかった。
そしてそれと同時に悲しくもあったのだ。
元カノさんの話やら、彼の抱えているストレスを
沢山話してくれた。
やはり、現状に生き辛さを感じている様だったが、
彼が常に笑顔でいる事に悲しみを感じずにはいられない私がいた。
「瑠偉は辛い事が多いのか...煙の行方
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第七章
彼の家へと歩き始めて10分程だったか、小さなアパートを指差し、
「あれが僕の家だよ」とアパートの一室を教えてくれた。
「寒いね」なんて言葉を交わし合いながら、彼の部屋の前まで来ていた。
「温かい飲み物でも飲もう」そう言って、彼は私を部屋へと招き入れてくれた。
一人暮らしにしてはや...煙の行方
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第六章
友人と会って話をしてから時間はあっという間に3ヶ月は過ぎようとしていた頃、
一切の連絡を取り合っていなかった彼から連絡が来ていた。
「久しぶり、元気してる?」
私はまた気分が堕ちてしまわないかと不安だったのだが、
文字だけの世界、顔が見えない事もあり、大丈夫だろうと思い
「...煙の行方
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第五章
会う日取りも決まり、数年ぶりに会う事になった友人は
とても元気そうに見えたが、人は負の感情を隠すものだと私は思っている。
「いらっしゃい」そう私は満面の笑みで彼女と長い時間をかけ
お互いの「今」や「現状」等を話した。
彼女も既婚者だという事もあり、話は弾みながらも
段々と負...煙の行方
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第四章
唐突に、彼からの連絡は途切れる事になっていたのだが、
私は彼の事で頭が一杯にならない様に、自分の時間を楽しむ様になっていた。
眠る前にふと彼が浮かぶのだが、薬のお陰もあってすんなりと眠る事が出来る様になっていた。
彼から連絡が途切れて3週間が過ぎようとしていた頃、
久しぶりに彼か...煙の行方
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第三章
2週間程経った頃、彼から久しぶりに連絡が来ていた。
耳鳴りの様子がずっと気掛かりだった私に彼は元気そうに連絡をくれた。
「耳鳴りは大丈夫なの?」私が尋ねると、まだ少し違和感はあるらしいのだが、
「大分良くなってるよ」そう伝えてくれた。
原因はただの耳の痛みの様だった。
ホッとしたと...煙の行方
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第二章
ある日曜日の事、私は主人と買い出しへと出掛けていた。
出たついでもあって色々なお店を見て回っていた頃、高身長の青年の様な男性に突然「すみません」
そう呼び掛けられて話を聞いてみる事にした。
なんともない他愛もない会話だったが、「それじゃあ、私は行くね」そう伝えて主人の元へと
戻ろうとし...煙の行方
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煙の行方
第一章
私は人との会話がとても苦手だ。
その事を隠す様に、人と会話をする時には必ず笑ってしまうから。
人と何かしらの会話を交わした夜は大体眠れないのが私の日常。
いつも煙草が手放せない私。
私は所謂、「精神疾患」を持っているのだが、その精神疾患とも20年以上の付き合いになる。
長年、...煙の行方
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最終章
あれから3年経った今でも私は月を眺めて煙草を吸い続けている。
繋がっていたはずの赤い糸は切れた。
いつか、私に見つける事が出来るだろうか、「運命の人」を。
天使の名前を持った彼に感じたような「赤い糸」で繋がっているだろう人に…。
猫に答えて貰うかの様に猫を見つめ続ける。
答えが返って...月と赤い糸
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第十章
どの位の時間、彼に手を握られていたかは覚えていない。
数分だったかもしれないし、数時間だったかもしれない。
思う存分泣いた彼は「ありがとう」と私の手を離した。
その時に私はまた、「私は利用されているのかもしれない」とふと思い
彼に「私はあなたを愛していたよ」とだけ伝え、その日彼には帰っ...月と赤い糸
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第九章
彼と会う事を決心する事が出来てから、まだ1週間も経っていない頃に
私は昔の夢を良く見る様になっていた。
夢を見るのは決まって薬を飲む前の仮眠の状態だったのだが、
とても嫌な夢ばかりを見る様になっていた。
冷や汗をかいて起きては、眠れなくなる一方。
そんな悪夢ばかりを見ていた時期に、1度...月と赤い糸
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第八章
季節は廻り、梅雨時期になっていた頃、彼が日本にいるらしいという事を知った。
そうか、日本に来てきっと結婚して幸せになっているんだろうな、そんな考えが頭の中にあった頃、
なんとも久しぶりに彼からのメッセージが来ている事に気付いた。
彼は私の考えていた通り、彼の望んでいた日本人と結婚して...月と赤い糸
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第七章
1年の終わり。
そんな日曜に、彼から久しぶりに「どうしたの」とメッセージが来ていた。
私は咄嗟に、色々と伝えようとしていた。
彼の心が私にない事、責めるつもりはない事を、伝えようと思い立った私は
彼へとメッセージを送っていた。
既読はなかなか付かなかったから、私は伝えたかったメッセージ...月と赤い糸
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第六章
街はすっかりとクリスマスムードになる季節になりイルミネーションがあちこちに施されていた。
仕事終わりに、帰ろうと思って歩いていた私は明日がクリスマスである事に気付いた。
明日に一人でケーキなんて買う人もいないだろうという考えが過り、
私は少しお洒落なケーキ屋へと向かう事にしたのである。...月と赤い糸
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第五章
段々と寒くなる季節になって来た頃、相変わらず私は夜空を見上げては煙草を吸っていた。
今日は冷たい雨が降っている。
私は彼から離れようと決めてから、最後に「どうして強くいなきゃいけないの?」とだけ
メッセージを送っていた。
私が察した事は伝えてはいけない気がして。
彼の心を傷付けて...月と赤い糸
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第四章
彼との日常が始まった私はなるべく話せる時間を取る様にしていた。
話せると言っても文字の世界なだけなのだが。
彼は私に沢山の愛情や秘密や悩みも打ち明けてくれた。
彼の気持ちは彼にしか分からない事だが、私の事を本当に愛してはいなかったのだと思う。
出逢ってから3ヶ月が過ぎた頃から彼の異...月と赤い糸
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第三章
仕事を終えた私はとてつもない疲労感でメイクも落とさずに、夢の中へと堕ちていった。
彼と出逢ったのは、確か春頃だったか、とても天気の良い暖かい日だった事を覚えている。
出逢ったと言っても、ネットの世界の事なのだが。
彼が私に声を掛けてくれた事で文字だけの会話が始まっていった。
彼は私の...月と赤い糸
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月と赤い糸
第一章
夏の始まりの夜。
とても暑く寝苦しい夜だった。
暑さと息苦しさの中で私は起きたのだが、何もする事が無かったが故に、ベランダへと出た。
いつもの様に夜空を見上げ、月が美しい事に私は涙が出そうになるのを抑え煙草をふかす。
薬がないとしっかりと睡眠が取れなくなって幾つの年...月と赤い糸