ポゴ

(A)
ベッドが軋む音ですら
僕らのすすり泣きに聞こえる
愛を確かめ合うように
僕らは孤独を持ち寄った
(B)
燃え尽きた二本のマッチは
寒さに凍えながら夢の中へ
朝がきて太陽が燃えても
現実でしけったマッチはもう燃えない...

(A)
出てきたら どうだい？
そこにいるのは わかっているよ
物陰で 何してる？
気にはなるけど 気づかない振り
(B)
絵を 描いてんのかな
何の 絵かな
僕を 描いてるんだね
うまく 書いてね...

(A)
孤独の淵って奴に立ってみると 思っていたほど真っ暗闇ではなくって
届きそうで届かないくらいの距離に かすかな光は見えていた
(A)
とは言うもののここは居心地がよく 多少視力が落ちてもみるもんなんてない
そうやって自分に催眠をかけたけど かすかな光が消えないんだ
(サビ)
光の射す方へ歩いて...

(A)
仕事で何かあったのかな？
あたしの問いかけに
めんどくさそうに答えるあなた
傷つかないわけじゃないけど
これもあなたのため
しばらくはあたしが我慢しなきゃね
(B)
近づきすぎると
めんどくさがられて...

(A)
アイツがいった
「ソイツは敵だ」
アイツがいうから ソイツは敵なのだろう
アイツは何だ？
ソイツが敵なら
アイツは味方と 判断していいだろう
(B)
ソイツがアイツにつぶされたんだ
またアイツは敵を探すだろう...

(A)
教室の大掃除
女の担任はかわいい君に
嫉妬して重いものを持たせた
僕は腹が立ったんだ
けどそのおかげで君を手伝えた
君には悪いけど感謝してんだ
(B)
今では買い物で 僕は君の荷物持ち
バカな話だけど みっともないくらいに...

(A)
未だかつて 跳べたことのない跳び箱
跳んだことがない なんて誰にもいえない
「跳ばないのは 準備運動してないから」
言い逃れ続けて もうどれくらいだろう
(B)
助走なら 十分にしてきた
これ以上 足踏み(助走)してられない
(サビ)
今頃になってけがなんか 気にしている暇はない...

(A)
『君の全てを抱きしめる』
そう誓ってからはというと
僕は君を狂おしく 愛しているつもり
存外僕の両腕に
すっぽりと収まった君
全てを手に入れた夜に 僕を襲う空虚
(B)
失礼ながら君のメイクを
冷水ではぎ取ってやりたい...

(A)
秋風の身にしみるこの頃
でこぼこの影 二つ引き連れて いつものベンチに向かう
そこから見る街並みはどこか
くたびれていて どうにか夕陽を 支えているようだった
(B)
僕らとともに 変わった景色 その全てを愛せる訳ではないけど
僕の隣に 座ってるこの景色だけは
(サビ)
手のひらに優しさを込...

(A)
寝付けない僕は とりあえずテレビをつけた
テレビの光に目がくらみ いらだちだけが僕の目に映る
ベテラン刑事が 倒れている女性をみて
「死因は溺死で事故だろう」 あたりもしない推理にいらだつ
(B)
「幸せを捕まえてくれよ」 役立たずの刑事に八つ当たり
左ポケットで携帯が 何かを知らせようと暴...

(A)
キャッチボールをしていたら 右手の親指を突き指した
うまくペンが握れないや 大げさに聞こえるかも知れない
(B)
初めて親指の存在に気づけた
次からは大切にしていこう、なんて
(サビ)
「失って初めて気づく」
月並みの詩人たちに 使い古された言葉がある
月並みだけどその通り...

(A)
僕が初めて買った観葉植物
花が 咲くまで君には秘密
水はやりすぎない方がいいらしいね
だけど 心配でしょうがないや
(B)
マニュアルも 読んだんだ
僕にだって 出来るだろう？
後はまぁ 愛情かなぁ？
今更だけど 愛情って？...

(A)
虹が好きだった
ここらで一番 高い丘から みえる虹が 好きだった
君が好きだった
隣で虹みて はしゃぐ君から こぼれる笑顔が 好きだった
(B)
雨は嫌いだけど
君が好きな虹を
作ってくれる雨なら 好きになれた
(サビ)...

(Ａ)
僕をふさいだヘッドホン 無言の歌声、 君の呼び声
忘れた泣き方、君の笑顔 忘れたことも 忘れるさ
(Ｂ)
光あらば闇あり その直線は伸び続ける
(サビ)
君のいる世界を飛び出した ひとりを感じたくなかった
僕の世界の人口ひとり ひとりが薄らいだ気がした
(Ａ)
僕をふさいだヘッドホン 君の呼...

A
ごめんね 何回言っただろう
ありがとう 何回言っただろう
もうどちらもあなたに届かない
私はあなたの最期を知った
B
降り続く雨
道ばたの雑草は何を思うの
S
さよなら このハルジオンのように...

(A)
僕は震えている
朝がくるのがこわいんだ
太陽は容赦なく
僕の姿を露わにする
(B)
僕というネジが なくたって
明日も地球は まわるんだ
(サビ)
なみだを流したら...