タグ「ダーク」のついた投稿作品一覧(19)
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―アタシハダレ?―
ふと呟いた 問い掛けは闇に融けた
誰も居なくなった校舎の中でひとり
茜色射す窓を眺め 佇む
何時から此処に存在して何の為に存在するのか
這い寄る陰は酷く仄く 哀しい
追憶の彼方から
呼び覚ますのは誰そ彼か
揺蕩う髪は燃えて
眸の奥の闇を照らす...少女トワイライト
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仄暗く黴臭い部屋
気が付けばそこに居た
傍らに男の姿
その碧眼には狂気が滲む
起き上がり軋む肢体は
透きとおる程白く
刻まれた記憶の波に
浚われて存在意義を思い出す
彼は呼ぶ 譫言の様に
いまは亡き恋人の名を...機械仕掛けのこころ
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生まれて来た事が
罪だというのなら
生き続けていく事は
罰なのでしょうか
もしもこの祈りが
天に届くならば
全てを差し出すでしょう
魂も 肉体も
逆巻く焔が全てを凍らす
破滅への序曲...重罪ノ獣
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硝子細工の瞳 映すのは
永遠の孤独と無限の刻
退屈を嘆いても 動かない
視線を外す事さえ許されない
あとどれだけ 針が回るのを数えれば
わたしは自由を手に入れる事が出来るの
響く鐘の音 廃墟の一室
蜘蛛の絲も朽ちてゆく夜
月の光すら 此処へは届かない
誰にも触れられぬ儘 鎖される世界...籠
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開放 奥底に眠る消せない言葉
彷徨い続ける 永遠無限の闇
閉口 水底で綴る虚ろな物語
贖い続けて 行き着く無間地獄
叫び 劈く聲
背中を押すその手
早く 眼を醒まして
苦しく鳴る胸は
廻って堕ちて境が消える
何処かの還るべき場所 認識不能...モノクロビジョン
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美しく着飾り 妖艶に舞い踊る
わたしは機械人形
永遠を手にした 血通わぬ身体で
他人の体温 求めている
明滅する 翡翠の瞳は誘う
ここは一夜の夢 宴を御一緒に
精密なる 人工脳で微笑む
こころ欲する爪 煌る たおやかに
選りすぐり 極上の素材
貴方仕様に最適改造...機械人形
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痛みを感じて初めて認識する
滲む手のひらはもがく 震える指、解ける
奥から溢れた感情 崩壊して
音もなくただ静かに 無意識へと落ちる
過ぎ行く光景 まるで他人事
凍える身体さえ気が付けずに
蒼き焔が燃えている 鼓動はそのままで
叫ぶ眼が突き刺さる 黒い天井
五感が雑じり合い遠く響いて
それが何か判ら...存在認識LIMITED
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月の光りが静かに降る夜は
胸元飾る水晶を涙の色に染め
目覚めぬ瞳そっと接吻けては
ここに還らぬ魂に 遠き彼方想う
眠る肢体は一縷の穢れもなく
ただ微笑みを湛えて 終わらぬ夢を視る
この手伸ばせば触れられるのに
蒼褪めた頬 こんなにも冷たい
今宵、祈りが月を満たして
揺れる鼓動をふたり分け合えたのなら...リリィ
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白い羽根 舞い散る
深々と降り積もる
蒼い虚空 響いた
玲瓏と鳴る無音
赫い悪夢 訪い
点々と知る答え
黒い陰翳 纏った
滔々と時は消え
最後の雫に残された色は
全てを呑み込む透明な闇...記憶
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粛正だと剣を振るうは
愚かなる神に魅入られた人々
荘厳なる聲を聴けよと
血走る眼で騙り継ぐ栄光
罪には罰を 穢れを禊ぎ
至極の後生に我が名を讃えよ
忘れるなかれ 信ずれば救われん
胸を突き刺す 暗黙の使徒
盲信し者の濁世は狂宴
燃え立つ空に 滲む境界...神騙りの愚者への断罪と懲罰
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また何時もの屋上へと至る階段で
僕と彼 そして君の三人が揃う
陰鬱な空 何をするでもなく呆けて
途切れ途切れの会話 壁が哂う
こんな日常と切り離された様な空間で
僕達は静かに互いの傷を抉った
何処にでも有り触れた日々
何も特別なんかじゃない
だからこそ何かを求め
君に触れたかったのかも知れない...大階段
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果て無き道を 僕は行く
罪を正せば罰が生まれる
世界はいつも廻りゆき
忘れた頃に揺り起こされる
何もかも 消去していく
この星に害を為すもの
荒れ果てていく この大地
生命は絶えて また繰り返す
抗えど その手では
何ひとつ護れないというのに...【イラスト募集中】M・D・R・T (My Destiny Realize To)
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【ミク】
毎夜、気が付けば
この場所に立っている
唄が、聴こえては
誘われて辿り着く
【レン】「オイデ、オイデ、手ノ鳴ル方ヘ」
【リン】「オイデ、オイデ、恐ガラナイデ」
【ミク】
この世、果てるまで
傍に居ると誓った...恋々狂夜
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「赫イ片眼ヲシタハ鬼ノ子」
忌み嫌われて他人を憎んだ
宵に紛れて 独り啼いてた
誰しもが耳を塞ぐ中
背中に近付く小さな影
恐れを知らぬ無垢な眼差し
睨みつけても牙を剥いても
優しく頭を撫でてくれた
初めて触れたヒトの温もり
零れ落ちる大粒の泪...鬼ノ棲ム森
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静かに呼吸をして
光に見付からない様に
触れては堕ちていく
深い深い奈落の底へと
甘い馨り 酷く眩暈がする
この姿に この心に
あなたは言った 「狂ッテイル」って
掻き抱いた その背中に爪を立て
抉り出した骨に舌を這わせた
溢れ出る その涙が薄紅に変わる瞬間は...Call my Name...
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その花弁に触れた瞬間
詩が聴こえた気がした
それはあまりに心地好く
耳に馴染んで離れずに
まるで夢の様な感覚に溺れ
呼吸が苦しくなった
微睡みから醒めた午後
指先に滲む血が示す先に
儚くとも艶やかに
赤く染まりゆくその花の名は...ユメニサクハナ
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君へ捧ぐ 愛の言葉を
語り続けど 未だ終わりは見えず
責め立てる 棘の蔓が
首に巻き付き 溺れてしまうわ
深く
天が裂けて 染み出してくる
漆黒の闇の中から
狂おしいほど 紅く輝く
病みし夢に罪薔薇の花
扉(ドア)を叩く背中に迫る...罪薔薇
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君のその銘柄(ブランド) 僕にもひとつくれないか
慌しく引っ繰り返す毎日を燃やして
何もない平坦な道を幸福と感じる現在は
降り続く雨が疎ましくて仕方ないよ
埋もれた校庭(グラウンド) 揺り起こす鍵知らないか
白々しく遠い明日を指差して笑った
誰ひとり戻って来る気配のない昨日に
固執した夢が騒がしくて...棘
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所詮 此処で行き詰まる
それだけのこの日
依然 類を見ない熱
引き合って うねる現実
無差別に音色 掻き鳴らして
狂ったって良い 融け合えるなら
嫣然 向こう見ずの罠
それだけで肥大
俄然 燃え上がる焔
呼び合って 冷めた藍色...DEAD END