sisの投稿作品一覧
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気づいたときにはもう遅かった
曇り空に睨まれてさ
例えようの無いこのモヤモヤが
空まで届いたみたいだ
晴天だった昨日までが
今日から霞んで見えるだろうな
繋がりもそうだ簡単に
途切れてしまったりするだろうな
冷たい水で顔を洗うと
変に目が覚めて...無題
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ふと思い出した
懐かしい景色に
振り返ればいつでも
君の呼ぶ声がする
茜色の空
伸びるふたつの影
差し出されたその手を
握り返したこと
ふたりこのまま
どこまでも遠くに行こうだなんて...茜空
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君がいた光と太陽が落ちて
いつか見た理想は
部屋の中いっぱいで
形あるものに心を込めて
壊れるたびに欠片を集めた
流した傷跡
数える指の先
肌に感触(じわり)
もう痛くないや
引っ掻いて切って...水色に揺れる
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午前4時 階段を上って
触(ふ)れた手すりがやけに冷たかった
動き出す前のこの街は
まだ静かに眠っているみたいだ
きっと私は空に近い
手を伸ばせば簡単に触(さわ)れるほど
見上げる夜空は朝に近い
あやふやな境目で息をする
混沌に溺れた明日は遠い
ずっとずっと先を走って...カプセルノイズ
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揺れる「またね。」が
私に鳴く
それは百合の花を想わせる
だから「またね。」に
君を告げる
揶揄いながら
戸惑いながら
雨上がり 君とふたり
肩が触れる 傘がひとつ
コンクリートに溶けた雨の匂い...under the lily
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退屈だった
今日がほら
またいちからやり直し
でも眠りたくないな
夜に浮かんでいたい気分だ
悲しくなるほど
街の灯りが光を消して
余裕なんて忘れた
置いてけぼりは嫌だった
ひとつふたつ...午前3時の朧気と
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君を想って
思っては泣いて
繰り返した
心はいつまでも淀んでいる
雨の日だけ笑えたのは
涙なんて無かったことにできた気がした
橙色がほら
部屋にそっと並んで
蓋した感情が
ふらっと現れて...サイレント
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安全地帯
煌びやかが当たり前
運良く転がり込んで
手のひらを隠した
偏屈なその態度
くだらない見栄っ張りにアンサー
誇りは底に溜めたままで
プライドはとうに捨てライアー
古ぼけたテーマパーク
記憶の隙間に流れていた曲は...パレヱド
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欠伸が出る
背伸びして
午後1時を
過ぎた頃に雨が止んだ
傘は意味を無くして
こればっかりは
空のせいだ
くだらない話に相槌を打って
その度少し笑った
普通を当たり前と...眠れない
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昂(たかぶ)った感情を思いの儘(まま)に
呟く呟く
小鳥のように
囀(さえず)る声は甲高くて
それはそれは五月蝿いの
絡まった意図は思い通りに
縺れる縺れる
嗚呼面白い
こうでなくっちゃつまらないわ
暇潰しになって頂戴!...炎炎のsilly
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悲しいって君が言うから
僕は泣かなくなった
消えたいって君が言うから
僕は泣けなくなった
見た目ばかりが変わりゆくのに
幼いまんま止まってしまったみたい
帰られない
あの日の君は今も僕と
同じ景色を見れているんだろうか
過去がまだ君の行く先に...アイデンティティ(仮)
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私の声が届くなら
私の歌が響くなら
この広い世界できっと
それが私の生まれた意味になる
辛いことがあったら
私の歌を聴いてよ
そして少しでも笑えたら
こんな嬉しいことはないよ
上手くいかないことばかり
それでも諦めたくない...アイの歌
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「踊って」
君が ねぇ君が
そう言ったから
私は 手のひらで
踊り続けてる
君は ねぇ君は
そんな私のこと
置いてどこに行ってしまうの
分からない
何も知らない...踊り子
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私の真実が
貴方の現実が
重なるその時を信じていた
言葉ひとつひとつに
絡まった想いを
吐き出せることが出来たなら
私の真実が
貴方の世界で
愛しいものになって欲しかった
貴方の現実に...AI
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ほろ苦い煙の味
いつの間に憶えたかな
シュワっと音を立てる
あの日々が懐かしいのな
水面が揺れるように
揺蕩う毎日は悪くない
私が私でいられる
この場所が心地良かった
それなのになんでかな
肺を冒しながら...硝子の花
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僕の中にある音が
誰かに聞こえてしまわないように
外から聴こえる波打つ音が
僕を支配してしまわないように
脳に直接流す音楽
唇を強く噛んで
広がる鉄の味
それすら安定剤だった
飾って
飾って...アディクション
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手放した音だけを
もういっかい集めてみたら
今よりはマシな歌が
出来上がっていたのかな
忘れることにした
過去の駄作を書き換えて
誤字脱字も正したら
もう一度歌えたのかな
"もしも"ばかりが
募って僕の"今"を揺さぶるから...音楽
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暗い場所が
怖い怖い
真っ暗な夜が
怖い
こわい
独りでいるとね
黒い何かに怯えてしまうの
心臓が早く鳴って
私を壊そうとするから
もういっそ...セイラ
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飲み合わせの悪い薬みたい
吐いても止まらない
堪らない喘ぎに
もうどうなったっていいやって
絶え間なく流れる
脳内を蝕む
ガラクタに成り下がった
過去だらけのこの頭から
腐っていく
ほら溶け出したのは愛?...drug
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A
透明に僕を知っていた
君は唐突に姿を消した
遡る記憶の中で
思い出すはあの馬鹿げた青だ
間奏
染まっていく様を知っていた
けれど溺れていく様は見なかった
それが最大の後悔と化して
僕を呪っている...シオン
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A-1
私の罪は罰を受けずに
のらりくらりと毎日を越す
あなたに罪など何も無いのに
突き刺さった刃(やいば)が体を抉った
A-2
平穏な日々
何も変わらず
当たり前であれと
願っていた...勿忘草
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何を言っても
何をしても
全部作り物に思えて
苦しくなって
消えたくなって
また顔を落とした
剥がれていったものが多すぎて
表面の薄さが際立って
簡単にヒビが入りそうな
花瓶で肌を切ったみたいに...独り言
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生きる意味が分からなくて
ただ続く道を歩いていた
独りにだって慣れっ子で
言葉の必要もなくなった
誰かの呼ぶ声が懐かしくて
頭の中だけ風が吹いた
溶けていく夏の氷みたいに
太陽の熱で蒸発する
暑い暑い日だったよな
空の雲が早く流れて...顔無し
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ねぇ私達
このままどこまでも行けるって
届かない場所なんて
ないって笑っていたよね
心の奥底で
沸々と音を立てる
あぁ
あの時のこれが
泡の音だったのか
綺麗な海を泳ぐように...ソイ
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散々だったようだ
それは散財したような感覚だった
もう後には戻れない
閉塞的に価値は見出せない
簡単だったようだ
それに混沌を合わせた快楽だった
どうせすぐに潰れる
ことも明日になればすぐ分かる
大気汚染に塗れた
孤独が空から降り出した...クレイジープラネット
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僕は昨日歩くのを辞めた
一日中部屋に閉じ籠って
遠く流れる雲をぼんやり眺めては
いつの間にか眠りについた
僕は昨日日々を諦めた
ただひたすらに長く感じる人生を
俯瞰して静観して
終わらないかと願うのだ
それが明日かもしれないのに
今すぐかもしれないのに...徒然なるままに
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書いては消した
文字ひとつ
言葉にできなくて
ペンから垂れたインクが
藍に滲んで答えになった
掠れていく三拍子
落ちてきた花弁の囁き
置いていく
桜の咲く頃に
逃げ出したくなったんだ...窓辺の青緑