タグ「KAITO」のついた投稿作品一覧(67)
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その瞬間、君と一緒に昨日見た夢を僕は忘れてしまっていた。
興奮が熾火のように胸の内側でくすぶり続けていた。
収まらない興奮を持て余した僕は、地元の駅前ロータリーのベンチに腰かけたまましばらく過ごしていた。春の夕暮れ。オレンジ色の空の向こうから透明な風が吹いて、僕の短い髪を、首に巻いた薄手のマフラ...夕暮れの空は夢の終わり 【KAITO】昨日見た夢【オリジナル】
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無秩序に増殖する建物の群れの底、空気は澱み、ひどく雑多で汚い、底辺の町。ひしめく建物の隙間に渡された物干し竿にはためく色の褪せた洗濯物。建物の側壁に貼り付いた室外機の群れ。露店が連なる路地の奥で怪しくうごめく気配。澱んだ水から立ち上がる生臭い臭気。
ふてぶてしさを感じさせる女たちの喧しい声。肩...乞福症に処方【ドクター=ファンクビート/nyanyannya feat.KAITO】
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カイトが神様になったらしい。
ソファの上でスマホをいじりながら私がそう言うと、洗濯物を畳んでいたカイトは、はぁ、と何とも間抜けな返事をした。
「それは、ええと、KAITO全体のことですか? それともどこかのカイトさんが神的地位まで上り詰めたってことですか?」
「いや、KAITO全般の意味合いっぽ...あおいかみさま【AO0?】
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そして一時間後。
少し帯の形がおかしいが何とか形になっている着物姿のミクと、同じくぎこちない着こなしながらも羽織袴姿のカイトと、一人普段着のままのメイコが、それぞれ沈痛な表情で録音室に現れたのだった。それこそ大喜びで姿を見せてくれるものだと思っていたマスターは、テンションの低い三人の姿に驚き、目...着物くるくる 2
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H25年の6月の某所でおやつという名の賄賂と一緒に、一部妄想も詰めました。そして、もろっと渡しました。その内容です。
がっつり文章をを足そうと試み中。
まだ続いていたおやつに詰めた妄想たち。笑
予定は未定です。
前のバージョンで読んで下さい~。
H26.9/4ごにんめ投稿。
もー、マスター、こんな...おやつに詰めた妄想たち・5
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H25年の6月の某所でおやつという名の賄賂と一緒に、一部妄想も詰めました。そして、もろっと渡しました。その内容と加筆したものです。
もう今年の某イベントも終っちゃったよ。あはは……。
前のバージョンで読んで下さい~。
H26.7/1 よにんめ投稿。
『どうしました?また甘えんぼモードですか?まったく...おやつに詰めた妄想たち・4
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2014年6月某日の某お祭りに名刺裏SSとしてくっつけたものたちです。
千年の独奏歌についての解釈(というか妄想?)がTL上で流れまくった某4月の出来事に触発されて、文字書きお仲間の藍流さんと千年祭と称して6月の某イベント時に配る名刺の裏側に独奏歌のSSをつけよう!!という企みをしまして。
……とい...V3のお姉ちゃんがやってきた日 ―名刺裏SS・はずれくじ―
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2014年6月某日の某お祭りに名刺裏SSとしてくっつけたものたちです。
千年の独奏歌についての解釈(というか妄想?)がTL上で流れまくった某4月の出来事に触発されて、文字書きお仲間の藍流さんと千年祭と称して6月の某イベント時に配る名刺の裏側に独奏歌のSSをつけよう!!という企みをしまして。
結果、名...―千年祭― ~千年の独奏歌名刺裏SS~
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H25年の6月の某所でおやつという名の賄賂と一緒に、一部妄想も詰めました。そして、もろっと渡しました。その内容です。
がっつり文章をを足そうと試み中。
予定は未定です。
前のバージョンで読んで下さい~。
H26.6/8さんにんめ投稿。
あの、マスター、そのスカート。ホントに着るんですか?や、そんな訳...おやつに詰めた妄想たち・3
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6月の某所でおやつという名の賄賂と一緒に、一部妄想も詰めました。そして、もろっと渡しました。その内容です。
がっつり文章をを足そうと試み中。
予定は未定です。
前のバージョンで読んで下さい~。
11/15ふたりめ投稿。
*アイスって神様からのプレゼントだと思うんだよね。甘くて冷たくて...おやつに詰めた妄想たち・2
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某所でおやつという名の賄賂と一緒に、一部妄想も詰めました。そして、もろっと渡しました。その内容です。
がっつり文章をを足そうと試み中。
予定は未定です。
前のバージョンで読んで下さい~。
6/23ひとりめ投稿。
おやつと一緒に詰めた妄想たち。
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S一歩足を、前へ踏み出して
二歩すすみ、空を見上げて
三歩めで、少し立ち止まり
四歩めは、ララ口ずさむ
A懐かしい、風景に、背中を向けて前に進む。
弱虫な、ぼくだから、振り返る、ことできず
B流れる景色、淡い色
遠く離れても、同じ空
そう言い聞かせて、みるけれど
さびしいなあ、少し思...一歩、前へ。
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初めて握った時はボロボロのぐしゃぐしゃだったおにぎりは、いつからか上手に握れるようになった。綺麗な三角に握って、海苔を巻く。具はおかかと鮭と梅干し。それに熱いお茶を淹れてカイトはメイコの部屋の扉を叩いた。
「メーちゃん、おれ。ご飯途中だったからおにぎり持ってきた」
そう言って扉を叩いたが返事は無く...昨日の終わりと明日の始まり・8
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その日の夕食時。居間にはかちゃかちゃと食器の触れ合う音だけが響いていた。会話はほとんどなく、時々、皆がそれぞれカイトの表情を窺うように視線を向けてくる。息が詰まるようなその空気に、マスターから話を聞いたのかもしれないな、そう思ってカイトはお茶碗をテーブルに置き、口を開いた。
「あの、おれ」
「駄目...昨日の終わりと明日の始まり・7
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たとえば。たとえば。たとえばの可能性。たとえば失敗をしてしまったら?たとえば上手くいったら?たとえば、いつか画面の向こう側に皆で行けたら?
たとえばが叶ったら、そしたら、どうなるのだろう。
たとえばの可能性を考えると胸の辺りがもぞもぞとくすぐったいような感覚が生じる。そしてもやもやとした訳の...昨日の終わりと明日の始まり・6
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「身体が手に入るの?」
皆の待つ家に戻り、カイトたちが話をすると皆驚いたようすで瞳を輝かせた。
「マスターの息子っていうかタロ君のお父さんって、そういうお仕事をしていたのね」
「前にそんな話をしたけれど、本当に現実になりつつあるのだな」
「うわーなんかドキドキする」
案の定、みんな一様にわいわいと興...昨日の終わりと明日の始まり・5
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「結局皆泣いて、大変だったんですよ」
「そうそう。特にミクを泣きやませるのは大変だった」
病室で笑いながらマスターに報告をするカイトに、君だって、と男が横から口を挟んできた。
「君だって俺のところに来た時、母さんが無事だと分かって腰を抜かしていたじゃないか」
そう意地悪く言う男に、思わずほおを赤らめ...昨日の終わりと明日の始まり・4
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たとえば、助けられたかもしれない。そんな事を思った。
マスターと一緒に歩いていたら。自分に身体があったとしたら。そしたら転びかけたマスターを支える事が出来たかもしれない。そんな事が一瞬頭の中をよぎる。
たとえばの、話。そんな事を考えても現実とは違うのだから意味のない事なのかもしれない。それでも...昨日の終わりと明日の始まり・3
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画面の向こう側とこちら側。あまり意識をした事はなかった。いつか、身体を手に入れて画面の向こう側に出られたら楽しいだろうね、なんて話は出るけれど、夢物語としてしか語られる事はなかった。
朝、皆で朝ごはんを食べてそれぞれ家事を分担する。手が空いたものはそれぞれ歌の練習をしたりネットを閲覧したり買い物...昨日の終わりと明日の始まり・2
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ぼんやりとした思考がゆっくりと輪郭を整えていく。雨戸の隙間からこぼれるのは、早春の白い光。まだ寒々しい空気の中、そこだけが柔らかな春の気配を湛えていた。
今日は良い天気みたいだ。パソコンの内側の天気は外側の天気と連動している。つまり、現実世界も天気が良いという事だ。きらきらと柔らかな日差しはしか...Master 昨日の終わりと明日の始まり・1
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狂った魔獣が吼えた。大音量の咆哮が森の中の空気を、木々の枝を、逃げる子供の鼓膜を、震わす。肌で感じる魔物の気配に逃げながら子供は悲鳴を上げた。恐怖で走っている足がもつれる、かくんと力が抜ける、水の中に沈み込んだように周囲が重くなる。
そしてそのまま、まるで地面に滑り込む様な勢いで、ざん、と子供は倒...少し昔の話 【シェアワールド】響奏曲【異世界側】
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<ストーリー>
魔術の生きる、何処かの世界。其処は今、滅びの危機に瀕していた。
僅かずつ、しかし確かに、消失していく世界。
これまでと在り様を変え、ただひたすらに破壊しヒトを襲う、異質な魔物の出現。
抗する術は魔術のみ――力ある者は『塔』と呼ばれる組織に籍を置き、崩壊を食い止める術を求め、或いは魔獣...コラボ概要 【シェアワールド】響奏曲【異世界×現代】
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朝、水着姿のカイトが、庭で洗濯物を干していた。
「おはよう、マスター。」
いつもと変らない呑気な笑顔でそう言ってきたので、まだ寝ぼけているのかなぁ。と思いながら、おはよう、と私は返した。
穏やかな休日の午前中だった。
よく晴れた天気で、真っ青な空が寝起きの目に少し攻撃的だった。
居間ではめー...水着のある風景
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Airport ―KAITO―
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忙しい彼女の長期休暇が始まった朝。おれは彼女の部屋を訪れて、今から南の島に行くよ。と言った。
きっと、始まったばかりの休暇の朝を満喫していたんだろうね。まだ寝間着姿の彼女は、玄関先でおれの言葉に驚いたように目を丸くしていた。だけど寝ぼけていたのか...Long Vacation~ひとり占め!summer☆girl~
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この作品は、以前書いた、カフェの話の番外編的な話です。
一連のカフェを舞台にした話を読んでいないと、ちょっと分かりにくいかもしれません。
それでも良いよ。または、読んだことあるよ。という方は前のバージョンからどうぞ。
Cafe・ただのいたずら
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「きっと、カイトが自分の事をいらない奴。だなんて思っていると知ったら、皆、我と同じように怒ると思う。」
泣き疲れてソファに座り休んでいたカイトの横に立ち、がくぽがそう静かに声をかけた。
「ルカ殿やミク殿はきっとショックで泣き出すと思うし、メイコ殿にいたっては殴りかかってくると思う。」
そう続けたがく...誕生日と、記憶と、今現在と。・7
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どすどす、と今にも音が聞こえてきそうなほど荒々しく歩くがくぽに手をひかれて、カイトは家路を歩いた。きらきらと金色の数字の羅列が音もなく横を通り過ぎてゆく。いつも一仕事終えた帰り道、この光景を見て、綺麗だなぁ。と思うのだけど、今はそんな余裕もない。ぐいぐいとがくぽに手を引かれてカイトは早足でその後に...
誕生日と、記憶と、今現在と。・6
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二人とも落ち着きなさい。と途方にくれていたカイトの耳に、柔らかなマスターの声が響いた。
「怒っているがくぽの気持ちは良くわかるけどね。ちょっと落ち着いて。」
柔らかく制するような、その声にがくぽの力が抜けて掴んでたカイトの腕を離した。反動で力が抜けて、へたり、とカイトは地に腰を落とした。
きっと...誕生日と、記憶と、今現在と。・5
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「何を、言っているんだ。」
不意に、横から激昂した声が響き渡った。
容赦ない、音量最大限の怒鳴り声。下手すると凶器にもなるその大音量で怒ったのはがくぽだった。
「馬鹿か、貴様は馬鹿なのか。やっぱりバカイトなのか。何を言っているんだ。本当に。」
怒られるとは思っていなくて吃驚したカイトにがくぽが、本...誕生日と、記憶と、今現在と。・4
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KAITOは、失敗作だ。
一時期、そう言われていた。KAITOの前に生産されたMEIKOは予想以上の反響を生み、結果、その対となるKAITOが造られた。だがしかし、予想を更に下回りカイトの需要は少なかった。そしてKAITOは失敗作の烙印が押された。
その後、初音ミクの登場によりVOCALOID...誕生日と、記憶と、今現在と。・3