思い出すのはカサカサした掌
なでられると痛かった
それでもいつもその手待っていた
旅路を決断した日は
ひんやりと張り詰めていて
あなたは何も言わなかったけど
幼い心は悟った
遠い遠い海まで何十里も
擦り切れた鼻緒が
食い込んで血が出たら
ヨイッショっとおぶわれたその背中は
骨ばってて曲がってて暖かかった
風だけが見ていた
ただ泣きたい気持ちを知ってた
「いつかは笑え」と低く告げた
覚えてるのは峠の茶屋
最期の二人の飯は粥だけそれでも
つかの間幸せだった
日が暮れていく下り道
夕日に染まった山の端
あまりに綺麗で
一瞬だけ足を止めてただ見惚れた
海に着いて私の頬なでては
父ちゃんのとこへ行く」と
ただ抱きしめる
突然つき飛ばして歩き出した
泣き喚き叫んでも沖へと消えた
風だけが見ていた
もう死にたい気持ちを知ってた
「お前は生きよ」と頬をなでた
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