魔法のシンガー♪ネギっ子ミク 第十話 「メイコの思惑・後編」

投稿日:2011/11/28 15:25:08 | 文字数:5,396文字 | 閲覧数:328 | カテゴリ:小説

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という訳で後編です。

今回もルカさん出せなかった……(リンちゃんもだけど;)
次回には二人共出てきますので!

プラモデルのことに関してはどこまで書いていいのか悩んでかなり修正しました。

まあ、いわゆるガ◯◯ラですね、これはw
人によってやり方が違うものですし、変なこと書いてたらすみません;
っていうか、題材をプラモにして書いてて何度後悔したことかw


実は既に13話まで書いてありますので、また早めに投稿できたらと思います。
毎回寝かせ過ぎなんですが、それでも投稿してからおかしな所に気づくのは何故だ……(´;ω;`)

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TEXT
 

 僕と王子、ミクとレン君の4人で早速王子の家に来た。
 だが中に入ると突然驚かされる。

 何だこれは……!?
 廊下の壁に大きな穴が開いている。しかも中はまるで光が乱反射してるようにユラユラして見える。

「あの、王子。それは……?」
「ああ、これかい? 魔法の国に繋がっているんだけど、ボク以外は通れないんだ。ネギ君も遊びに行きたいところだろうけど悪いね」
「いえ、そういう訳じゃないですけど……!」

 そ、そうか、王子は人間界にずっと住んでるわけじゃなくて、ちゃんと大事な時には帰れるようにこんな穴まで用意してたのか。
 そりゃそうだよな。王子なんだもんな。

「あんたは相変わらず魔法の力だけはすげーんだな」
「はは、ありがとう」

 レン君が王子を褒めるなんて珍しいな。でも……もしかしてレン君はリンちゃんの事だけじゃなく、魔法の力が無かった自分と、すごい魔法使いの王子を比べて劣等感に悩まされていたんだろうか。
 まあ、憶測でしか無いけどね。

「しっかし何にもない家だな!! カイトは昔から物欲がないからつまらん!」
「ははは、殺風景で悪いね」

 ミクの言う通り、王子の家は思ったよりも普通だった。
 必要最低限の家具しか置いてないし、テレビもない。
 冷蔵庫が無いところを見ると、食事なんかは魔法の国でしてるのかな。
 王子様って言っても、割と生活は地味なんだな。


「それでね、レン……これなんだが」

 王子がプラモデルの箱を持って来た。

「さっさと作るぞ」
「あーうん……あの、ちょっとね……」

 申し訳なさそうな顔で王子が蓋を開けると、中には作りかけのパーツが入っていた。というか全然進んでないじゃないか。

 レン君がそのパーツを摘みまじまじと見つめる。

「……おい王子さんよ」
「な、何かな……?」
「これ、あんたがやったんだよな?」
「あ、ああ……そこまでは何とかやったんだけど……」

「一体何使ってパーツ切ったんだよ?」
「え? あ、護身用のナイフだけど……?」

 レン君が呆れたようにため息をつく。

「そんなもん使うな! それにパーツ切る時に根元から切ってるだろ? えぐれてるじゃねぇか。 こういうのは最初はゲートを少し残して切るんだよ! で、慎重にその後余分な部分を切り落とす。一回で綺麗に切れるわけ無いだろ!」
「はい……っ」

 カイト王子がしゅんとしてる。

 しかしレン君随分こだわってるんだなぁ。
 僕なんか昔自分で作ってた時、根元から爪切りで切り離してたけど、あれじゃダメなのか。

 レン君は持ってきたバッグを開く。中にはプラモデルを作る時に使うであろう道具が色々入っていた。
 カッティングマットをテーブルに敷くと、それらを置いていく。

「……とりあえず最低限のものは用意した。同じ物揃えればあんただってそこそこちゃんとしたものが出来ると思うぜ?」
「そ、そうかな……? しかし随分あるんだね……」
「あんたみたいに、まともに道具すら用意せずにやろうとしたって仕上がりは良くなんねーよ」
「はい……」
「でも、あんたの実力はよーくわかったから。今日は難しいことはしない。安心しろ」
「お手柔らかに頼むよ……」

 カイト王子が不安そうな顔をしてる。その後ろでミクがニヤニヤして二人を見てる。
 カイト王子もこの二人相手じゃ分が悪いよなぁ。

 レン君は王子に一つ一つ道具の説明を始めた。

「これがニッパーで、これを使ってランナーからパーツを切り取る。こっちが残ったゲートの処理に使うデザインナイフ」
「あの、ランナーとかゲートって……?」
「いいか、この太い枠部分がランナー。で、このパーツを繋いでる部分があるだろ。ここのパーツとの間の細くなってる部分がゲートな。絶対にパーツの根元で切るような真似はしちゃだめだ」
「う……うん」
「切り離した後だがナイフだけでは完全には綺麗に処理出来ない。だからペーパーがけしたいところだが……今回は塗装もしないからその工程は省略する。ゲート処理に関してはナイフを使わずニッパーの二度切りでもいいが、その辺はあんたに任せるよ」
「よくわからないけど、簡単に出来る方でやってみるよ」
「ちゃんとしたものを作るには1日じゃ無理なんだよ。だから今日は最低限のことだけする」
「それは助かるよ」

 確かに王子にレン君が作ったような完成度のものを求めるのは、無理っぽいもんね。
 レン君は他の道具の説明も丁寧にしていた。

「これは艶消しスプレー。これを最後に使うだけで完成度が上がるからな。こっちはスミ入れ用のペンだ」
「スミ入れって?」
「こういう溝の部分に墨を入れることによってリアルになるんだ。立体感も出る」
「ふむふむ……なるほど……で、この瓶は?」
「それは接着剤だ。このタイプのプラモデルは接着剤無しで組み立てられるが、本来ならつなぎ目を消すために使ったほうがいい。ただ、乾くのに時間がかかるから今日は使わない。それにあんたの場合間違ったパーツをくっつけて外せなくなっても困るしな。俺だって一応初心者なんだぞ。責任は持てない」
「……確かに。じゃあ、次の機会に挑戦してみるよ」

 レンくんがカイト王子に説明する姿はあんまり初心者っぽくは無いけどね。
 っていうか僕が小学生の頃は、プラモデル作るのに爪切りしか使わなかったなんてレン君には絶対言えないな。

 カイト王子も真剣に聞いてるし、真剣じゃないのはミクだけだな。

 でも何でレン君こんなにプラモデル詳しいんだろ? 魔法の世界にはこんな物ないだろうに。

 だがそれはミクも同じ疑問を感じていたようだった。

「レンは何でそんなに詳しいんだ?」

 レン君が真剣な顔でパーツを切り離しながら言う。
「別に詳しくなんかねぇよ。ただ、物を作るっていうのは、道具を用意する所から始まるんだよ。じゃあ、その道具は何が必要か? それがわかってなきゃ意味が無い。幸い近くに本屋があったしな、そこで調べて、必要な道具も全部用意した」
「ほうほう。なるほどな。レンは昔から勉強家だったもんな」
「……魔法が使えなくてバカにされた奴の気持ちなんか姉貴にはわかんねえだろ。他の事では誰にも負けたくなかったんだよ」

 王子もその話を聞きながら苦笑いを浮かべる。
 ミク同様、王子だって魔法のことで馬鹿にされた経験なんてないはずだ。
 耳が痛いんだろうな。

 レン君が切り取ったパーツの切り口を丁寧に処理したものを王子に見せる。
「どうだ?」
「すごい……切った場所が全然わからないね! ……ボクがやるのとはぜんぜん違うよ」

 レン君の丁寧な仕事にカイト王子は感心しきりだった。

「じゃあ、あんたもやってみろよ」
「えっ!? ボクもかい!?」
「……全部オレがやってもしょうがないだろ。説明書見ながら順番にやれば大丈夫だって」
「そ、そうだね……」

 不器用な手つきでカイト王子が同じようにパーツを切り離そうとランナーを掴む。
 何だかビクビクしてるのは失敗したらレン君に怒られると思ってるからなのかなぁ。

 そんな王子を見て、ミクが王子の耳元に顔を近づける。
「わっ!!」
「ひぃっ!?」

 王子が持っているものを手から落とした。

「……おい、姉貴。邪魔すんなよ」
「いやぁ、あまりにもカイトが緊張してるようでなぁ」
「ミ……ミク……今のは本当に……び、びっくりしたよ……」

 全くミクのやつは……。

 だけど、レン君が笑い出す。

「ははは、色々言ったけどさ、こういうのは楽しんで作んなきゃ意味ないぜ? リラックスしろよ」
「う、うん……そうだね……」

 あれ? カイト王子の緊張がほぐれたみたいだ。
 本当にミクのやつは計算してるのか何も考えてないのかわかんないな!


 黙って見守る僕に、王子が優しく話しかける。
「ネギ君も一緒にやらないかい? 久しぶりに、さ」
「え? あ……そうですね。レン君道具ある?」
「ああ、ほらよ」
「ありがと。さて、どこから作ろうかなぁ……」

 ミクは何も言わずに僕達の行動をじーっと見ている。
 大人しいのもかえって不気味だな!!




 どれくらいの時間が経っただろう。
 僕達は集中して、一体のプラモデルを力を合わせて完成させた。
 特別手の込んだことは何もしてないし、3人でやったから思ったよりも早く終わった。
 部分塗装とスミ入れして、ただ組み立てただけのものだけど、これはこれで良い感じじゃないか。

「で、出来た……!!」
 王子の声が感動しているのがわかる。

「結構いい出来じゃねーか」
 レン君も満足そうだ。

「いやー、久しぶりにプラモデルなんて作ったけど、これ楽しいな!」
 僕もすごく満足していた。
 
 そういえばミクは……って、寝てるし!!

「おい、ミク、ミクってば起きろよ!」
「んあぁぁ?」

 ミクが目をこする。

「おお、完成したのか! すごいかっこいいな!」

 完成したばかりのプラモデルを前に、ミクは目を輝かせた。

「ああ、レンとネギ君が手伝ってくれたおかげだよ! 二人ともありがとう!」

 王子はにこにこと笑っていた。

 レン君はそんな王子に何て言っていいのかわからない様子だけど、悪い気はしていないようだ。

「あのさ」
 レン君がぽつりと言う。

「次は……王子ひとりで作ってみたらいい。こういうの、皆で作るのもいいけど、一人で完成させた時の達成感ってすごくいいもんなんだぜ。道具なら貸すからさ」
「そ……そうだね! うん。次はボク一人でやってみるよ! でもまたわからないことがあったら教えてくれるかい?」
「……ああ」

「そうだ、レン」

 王子は右手を出し、レン君に握手を求めた。

「え」
「本当に色々教えてくれてありがとう! 助かったよ!」
「……べ、別に大したことじゃ……」

 そこにミクが強引にレン君の手を掴みカイト王子と握手させる。
「お、おい!」
「いいじゃないか。お前たち仲が悪くて姉上がずっと心配してたんだ。これで友達だな!」
「……! と、友達……? オレが王子と?」
「ああ、嬉しいよ! レン、これからも仲良くしてほしいな!」
 王子も最高の笑顔で言う。
 
「……」

 ミクと王子の笑顔に負けたのか、レン君も「仕方ねーな……」と小さな声だけど確かに言った。




 ……結果、今まで犬猿の仲だった二人がやっと素直になれた。
 まあ、レン君が一方的にカイト王子を嫌ってただけだけどね、カイト王子の方はずっと仲良くしたかったんだろうなぁ。

 それにレン君が王子を嫌う理由は今は何も無い。リンちゃんは王子のことをお兄さんのように慕っているけど、恋愛感情は持ってない。
 
 それなら仲良くやったほうがいいに決まってる。

 まあ、今後リンちゃんが本気で王子の事好きになったら、僕もレン君も王子の事恨みかねないけどね。
 ……頼むよリンちゃん!



 三人で家に戻ってくると、心配そうなメイコさんが玄関まで迎えに来てくれた。

「ネギ君……どうだったの?」
「ああ、ばっちりですよ。ね、レン君」
「……ああ」

 レン君はさっさと家の中に入っていく。

 ミクが腰に手を当てながら偉そうに言う。
「この私が見ていたんだから問題が起こるわけ無いじゃないか!」

 って、お前は寝てたじゃないか!!

 でもメイコさんはくすくす笑って「確かにそうね」と言った。

 ……メイコさんもミクの事信頼してるんだな。
 ミクも部屋に入っていき、その場には僕とメイコさんの二人だけになった。


「メイコさん」
「なあに、ネギ君」
「メイコさんは……レン君と王子を仲良くさせたかったんですよね?」
「……そうね。レンは小さい時は王子にとてもなついていたのよ。でも大きくなるとだんだん人に心を開かなくなってね。王子としてはあんなに仲の良かったレンに嫌われたと思って辛かったんじゃないかしら」
「そうなんですか……」

 知らなかった。
 子供の頃はあの二人は仲が良かったんだ……。

 でもレン君は苦労したんだろうな。王子の事だって、大きくなれば自分との差を感じて接し辛くなったんだろう。
 そこにきてリンちゃんが王子を好きかもしれないって思ったら、そりゃ嫌いにもなるよなぁ。

「でも、大丈夫ですよ。ミクが強引にさせたとはいえ、二人は握手してました。これからは友達だなってミクが言ってましたよ」
「そう。やっぱりミクに任せて正解だったようね。それにネギ君もありがとう」
「えっ! 僕は何もしてませんよ!?」
「ううん。そんな事ないわ。ミクもネギ君の事は気に入ってるみたいだし、これからもあの子達の事よろしく頼むわね」
「あ、はい……!」


 
 そんな訳で、ぎくしゃくしていた王子とレン君の仲は前よりは改善された。
 そうだよね、やっぱり皆仲良くするのが一番だよ。うん。

 っていうか、ミクが僕の事を気に入ってるっていうのはどうにもしっくり来ないな……!
 ホントかよ!




まだまだつづくよ!

長い間音沙汰なくてすみません><
生きてます~
2019/09/17


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作品へのコメント2

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    ご意見・感想

    今晩は! 続き、拝読させて頂きました!

    カイト王子の部屋、なるほど、理にかなってますね~、考えてみても、すぐに元の世界に帰れなければ、王子として色々問題ありますからね。

    さて、レン君のご教授の元、プラモづくりが始まったわけですが、いやー、モデラーにとっては基本事項なんですが、普通の人から見ると、色々マニアックな内容まで含まれていて、ワクワクしてきました!(自分も趣味モデラーである時もあるので…) ”つなぎ目消し”のテクニックには感服致しました。私はつなぎ目消さないで組み立てる”素組”が全部なので、”後ハメ加工”+”つなぎ目消し”のテクニックまでやっちゃうレン君、凄いです。

    そして完成。ミクさんがともかく、メイコさんの良策の元、みんなで頑張ったかいあって、レン君とカイト王子の中、というかレン君の心もうち解けて、良かったと思います。

    今回はプラモ作りがメインだったので、自分の趣味も重なって、前編後編、合わせてとても楽しめました! でも執筆するの、大変だったと思います。

    ではでは~♪

    P.S 風邪がとってもはやっております。私も明日、インフルエンザ予防注射してきます。是非ともご自愛下さいませ。

    2011/11/28 20:25:57 From  enarin

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    メッセージのお返し

    >enarinさん
    こんばんは♪

    やはり一国の王子として、社会勉強中であるとはいえずっと別の場所にいるわけにはいかないかな?と思いました(^^;
    すごい魔法使いなのでこれくらいは出来ちゃうみたいです!

    プラモに関しては……!!!
    弟がやってたことを思い出したり、ネットで調べたりホビー◯ャパン読んだりして色々変な事書かないようにと気をつけました><
    つなぎ目消しに関しては、昔弟が接着剤を塗るとプラスチックが溶けて云々言ってたので思わずw

    レンくんはきっとやたら凝り性なんじゃないかと思いますw

    モデラーの方にそう言って頂けるとすごく嬉しいです!!

    仲が悪かった二人をどうやって仲直りさせようかと当初から色々考えてましたので、楽しんでいただけて良かったです(*´▽`*)

    >でも執筆するの、大変だったと思います。
    とにかく修正を繰り返してましたね?
    最初の頃はもっと色々書いてましたが、「何の作品だかわからないじゃないか!」と気づいてあっさりめにしてみました。
    でも一番最初に書いた時はもっとあっさりしてたので、途中で盛りすぎてまた削ったって感じですね(^^;

    風邪!!
    お互い気を付けたいものですね?

    いつもありがとうございます!!

    2011/11/28 21:56:46 ぎんこ

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    ご意見・感想

    後編、待ってました~!

    王子とレン君は、昔は仲が良かったのですねぇ・・・

    なにわともあれ、再び仲良くなれてよかったw

    (自分もプラモを作る時、カイト王子と似たような事をやってたなぁ~w)

    2011/11/28 16:38:38 From  是久楽 旧HidetoCMk2

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    メッセージのお返し

    >HidetoCMk2さん

    コメントありがとうございます♪

    王子とレンくんは幼なじみなので、(ミクさん達はお城の近くに住んでいるのです)小さい頃はよく遊んでもらっていたのです。

    でも嫉妬のせいで素直になれなかったのですね?

    めでたしめでたしなのですww

    >(自分もプラモを作る時、カイト王子と似たような事をやってたなぁ?w)
    やりますよねあれw

    2011/11/28 17:59:40 ぎんこ

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