赤々と燃え上がる楽譜たち。月明かりを浴びて歌うツインテールの少女。

 楽譜(スコア)の焼き場と呼ばれる場所に僕はいた。

 街の外。だだっ広い草原は夜の星々を眺めるには最適の場所であろうが、僕の目が映すのは月でも星でもなく燃え尽き灰になる楽譜たちとそれを弔う1人の少女だ。

 優しい、しかし切なさを伴う彼女の歌声に僕は惹きつけられ、誰にも届かなかった楽譜たちの最後の輝きを目に焼き付ける。

 涙が出た。

 僕の楽譜があの中にあるからじゃない。美しい絵画のような光景が何故か胸に強く迫ってきたのだ。

 生涯忘れない、忘れることのできないだろう光景。この儀式に立ち会うきっかけは、1人の友の言葉だった。

 それは今日という日が何事もなく始まり、僕と彼女の運命が交差する少し前のこと。

 退屈で憂鬱な日々に埋もれていた僕の日常がゆっくりと変わりはじめた日の、何の変哲もない朝に時間は巻き戻る。

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  • オリジナルライセンス

【小説化】火葬曲 プロローグ

No.D様の火葬曲からイメージを膨らませて小説化しました。よろしくお願いします。

原曲様→https://www.nicovideo.jp/watch/sm6074567

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投稿日:2023/02/09 20:55:47

文字数:401文字

カテゴリ:小説

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