とある昔のお話
金色の狐と姫の物語
狐の名を子狐レン。
姫の名をメイコ姫。
狐が恋をしたのは、人間の姫でした。
そんな物語。
― 出会いそして・・ ―
ある昔のたいそう大きい屋敷暮らしの姫がいました。
姫は、屋敷の中だけではなく村や町へと行き見聞をしていました。
そんな時、見聞をした帰りに
出車に乗った姫は、草むらから黄色い尾が出ているのに気付き・・
(あれは・・・何?物の怪の類か?)
出車に降り、牛を待たせこう言いました。
「・・・あっ」
出衣を覗かせながら見ていたが、急に尾が消えてなくなり
声を出してしまった。
その声を聞いていたのか、わからないが尾を持っている主が出てきた。
ここら辺では、珍しい金色に輝く子狐だった。
耳や尾の先は白いがまだ幼い顔付き、恐らく遊んでいたが何かの気配で
慌てて化けたのだろう・・
耳と尾は、まだ隠せないほどだった。
パッと姫と狐の目が合う。
狐の瞳は、明るい緑色。
姫の瞳は、髪の毛と同じ茶色。
その瞬間、一人と一匹は時間が止まったような気がしました。
ただ、一言もしゃべらずただ時間だけが過ぎていきました。
もう申から酉になろうとしている刻でした。
・
・
次の日から、毎日姫は不思議とある場所へ行きました。
そこは、先日子狐がいた場所でした。
一人と一匹は不思議と同じ時間帯に来るようでした。
どちらかが遅れるとどちらかが待っている、そんなこともありました。
喧嘩もせず仲良く話をしたり、子狐が野山で体験したことを話しをしたりと
その会話に姫も微笑みを見せながら、時には"危ない"と注意をしたり
あっと言う間に月日が過ぎていきました。
・
・
年が明けてある日の事でした、
子狐は、姫を連れてある場所へ向かいました。
そこは、子狐の秘密の場所でした。
1本の大きな大樹があり、その樹は何百年生きたでしょうか、
太くそして大きい樹でした。
そこに桜の華が、満開に咲いています。
子狐は、こう言いました。
「つい先日、ここを見つけたんだ。
イチバンにメイコ姫をここへ連れてきたかったんだけど、まだ満開でなくて
今日、メイコ姫の下へ行く時に見たら満開だったので連れてきたんだ。」
姫は嬉しそうに微笑みながら
「こんなに素敵な物を見せてくれてありがとう。心から感謝します。」
その後
ただ、二人は満開の桜を見ていました
言葉もなく
ただ、手を握ったまま・・・
時間だけが刻々と過ぎていきました
・
・
・
・
あくる日
姫が歌を謡っていると、あの時の子狐が訪ねてきました。
姫は、突然のことなので驚きましたがここが本家でないことを思い出すと
すぐさま、駆け寄り微笑みました。
姫の離れの家でした。
家と言っても、屋根は瓦。
壁はなく簾が下がっていたり、本家と繋ぐ道も砂利道のような感じでした。
そんな、微笑をみた子狐は頬を赤らめながら
後ろに隠していた手を前に差し出し、一輪の華を出しました。
そして、それを姫が1歩、歩み寄ると子狐は華を持った手を差し出しました。
姫は、近寄って子狐の頬へキスをし華を取りました。
子狐は、ただ驚いていましたがすぐに微笑み
一人と一匹は、永久に幸せにくらせました。
― 出会いそして・・ ―
この小説は、nananana10さんのステキなイラストを元に書き上げました。
http://piapro.jp/content/wtzunenxo9lpx985
・・・小説を終わってよろしいでしょうか?続きませんよ!
時代的に変なところがあります・・が、気にしないでください。
読んでくださった方!本当にありがとうございます。
___________________________________
見聞(けんぶん)→見たり聞いたりすること。
出車(いだし‐ぐるま)→盛儀の出行の際の装飾として、出衣(いだしぎぬ)を施した牛車(ぎっしゃ)。
出衣(いだしぎぬ)→牛車(ぎつしや)の下簾(したすだれ)や御簾(みす)の下から
女房装束の袖口や裳(も)の裾などを出すこと
申の刻から酉の刻→(夏至の時刻(東京))18時~20の間です。
(※春の時の時計がなかったので夏を代用いたしました。)
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