【語り】
オシリスに出会いて
始まりし死の宴
天地(あめつち)の底(そこ)ひにて
アテンこそ陽になりにけれ

【アクエンアテン】
ホルスの眼を抉(くじ)らせ給え
大地に埋(うづ)め我称へ給え

【語り】
トキ喘(あえ)ぎ ヒヒ喚(わめ)き
天空響き
月笑ひ 雷叫び
ファラオの呪い
再び棺開きけリ

【アクエンアテン】
オシリス生くれば我こそ身罷(みまか)れ
オシリス滅ぶれば我こそ栄えけれ

【アクエンアテン】
セトに引き裂かれしその屍(かばね)
砂漠にてこそ貪り喰はめ

【語り】
コブラうねり 獅子唸り
ナイルは渇き
星狂い 地は裂けり
ファラオの呪い
再び木乃伊(ミイラ)歩(あり)きけリ

【オシリス】
ホルスが顔より赤き血流れ
眼窩を開き白き乳注(そそ)け

【語り】
ハヤブサ飛び カノプス砕き 腸(はらわた)捩(ちぎ)り

アテン呻(うめ)き セト去(い)にけり
ファラオは永遠に 黄泉の国を彷徨いけり

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
  • 作者の氏名を表示して下さい

呪王

モデルは古代エジプト第18王朝のアメンヘテプ4世=アクエンアテンです。かのツタンカーメン王の父親です。彼はそれまでの多神教から、アテン神を唯一の神とする一神教への宗教改革を試みますが、神官を中心に反発を招き失敗します。彼の死後、その名は記念碑から削除され、彼がテーベやアケトアテンに造営した建物は破壊されました。アケトアテンのアテン大神殿は引き倒され、その中にあった聖なる品々も粉々に破壊されました。テーベにあったアテンの神殿も同様に解体され、アテン信仰やその保護者である王の痕跡を抹消するあらゆる努力がなされました。彼の臓器を収めたカノプスも破壊されたようです。(棺も破壊されましたがミイラは無事でした。)そんな異端のファラオ、アクエンアテンの無念の想いを曲にしてみました。

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投稿日:2024/02/01 10:23:25

文字数:409文字

カテゴリ:歌詞

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