とある国と国の争いが終わった
青年を探しひとり彷徨う少女がいた
森の奥で陽だまりに座り込む甲冑
最後の光に少女がほほ笑む

戦場に向かう前に渡した
小さな花のペンダント
きっときっと帰ってきて
甲冑の手の中に握られていた
きっとまた帰ってくるよ

それから毎日
少女は甲冑に一輪ずつ花を飾る
そっと頬にキスをしてほほ笑み
貴方のいる場所に行きたいの


花も咲かなかったその場所には花が
椅子を持ち出して甲冑のそばで花を編む
森の奥で陽だまりに座り込む少女に
青年がまるで笑いかけていた

甲冑の頭に花冠
剣の先に蝶が止まる
ずっとずっとあなたが好き
ふたり花畑で走る夢を見る
彼の腕に飛び込んでく

今日も欠かさずに
少女は甲冑に一輪ずつ花を飾る
少しずつ錆びついてく体に
しわくちゃの手を伸ばして撫でた


少女は最後の花を飾り終わると
静かに息を引き取った
花でいっぱいになった甲冑が
錆びついた体で動き出す
少女の亡骸を抱えて光の空へ歩いて行った


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ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

〔曲募集中〕甲冑に花を飾って

物語風な歌詞を書くのが好き✳︎

曲やイラスト、動画を募集中です⑅◡̈*

閲覧数:46

投稿日:2024/07/10 08:49:59

文字数:533文字

カテゴリ:歌詞

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