ところは変わって。


暗闇の空間に、誰かが椅子に腰掛けている。


「……作戦は失敗、ですか?」


大人のような女性が、尋ねる。


「……リリーにはもともと影神の監視を求めていたのに、それ以上のことをしたからだ。私は、ただ作戦を命じただけ」


「……相変わらず、ですね」


彼女は机の上に座って、スマートフォン……いや、第7次元閉鎖空間外操作情報インターフェースを操作していた男に向かって話す。


「ああ。おれはこの長い間、願っていたんだ」


「そして、彼女を作り上げた。すべての計画の成功を受け止める器として」


「新たな人類。世界の再構成。理論はすべて覆される」


「そう。貴方のために」


「ああ。きっとこれで彼女も帰ってくるはずだよ」


「ええ。一緒に取り戻しましょう」


そう言って彼女はどこかへ消えていく。


「ああ。取り戻そう。メイコを」





****





「……あの馬鹿……!! いったいどこにいるってのよ!!」


「おい、待てよ。初音」


「なによ」


僕は思わず初音と呼んでしまったが、まあ彼女は怒ってないのでそこはよしとしよう。


「いつからあんなことがわかってたんだ?」


「ん? うーん。まあ、前から、じゃないけど。ついさっき、思い出したんだよねー」


「軽いなー。だから“ツマラナイ”世界なのか」


「ま、そうなのかもね」


初音は今までに見たことのないような無垢な笑顔を僕に見せた。




***



「ところで、誰を追っているんだい?」


「世界の建造主」


「……どういうことだよ? 世界を作り上げたのは君じゃないのか?」


「ええ。そうよ。“地球”はね」


「……すまん。意味が分からない」


「地球プラネタリウム説。とてもいい。つまらなくないわ。まさかあんたが世界の解の一つを解き明かすなんて」


「解?」


「……宇宙を作り上げた神、サンリット・アールが作り上げた“試験問題”。知ってるわけないけど」


「神からの課題を神が解くってのか?」


「そう。そして私に課せられた課題は12。サンリットから課せられた課題を一つだけ、一ヶ月間のみ解くことができる。それが期間中に無理ならあとは12ヶ月後にに持ち越し。これが太陽暦の起源」


「はあ……」


なんというところですごいものを聞いてしまったんだろうか。


「なにため息ついてんのよ。あんたは神がようやく解いた課題をものの十数年で解いたのよ。もう少し誇りなさい」


「ああ。無事に生きれたらな」


僕は苦笑いをしながら、初音についていった。




つづく。

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僕と彼女の不思議な校内探検 15【リレー】

終わりを見せません。

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投稿日:2011/11/12 20:34:04

文字数:1,117文字

カテゴリ:小説

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