「巡音ルカです。これからよろしくお願いします」
私はデビュー後、先輩方に挨拶した。
メイコさん、カイトさん、ミクちゃん、リンちゃん、レン君。
みんな、いい人ばかりで安心です・・・。

「おお！美しい！あ、僕は神威がくぽというんだ！宜しく！」
・・・こいつ、一体なんなの？

――――【ggrks－ググれカス(自己解釈)】――――

「こんな気持ちは君が初めてなんだ！」
「初めて？初心者ならまずRomってろ」
最初に会ったあの日から数日、毎日こんな会話が２人の間で交わされる。
まあ、ウザいからこんな感じで軽くあしらってくのがコイツにはちょうどいいのよ。
私だって何にも知らない箱入り娘じゃないわ。

「君と親しくなりたいんだ！」
うっ・・・。
「馴れ合いならVIPでやれ」
戸惑ったときはネット用語で対策するのが一番！
ミクちゃんには「がっくんにネット用語なんて分かるの？」なんて聞かれる。
別にあいつが知ってなくてもいいのよ、別に。
って思ってたらホントにVIPやってるし！訳分かんない！

「言いたいことがあるのならハッキリ言えば？」
初めて、がくぽに問いかけてみた。そしたら間髪入れずに
「僕のことどう思ってる？」
って言って来た。だから私も負けじと言ってやった。

「知るかよ　ググれカス」

「ググれカス」
あ、これ
コイツにはぴったりな言葉だわ。
「メアド教えて」
「ググれカス」
教えるかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ！！！！がくぽなんかに！
「どこ住んでんの？」
「ググれカス」
私達いっしょに住んでるんと違うんですか？別に！同棲とかじゃないけど！みんないるけどね！？
「好きなタイプは？」
「Yahoo!でググれカス」
そりゃあ髪が長くて紫で・・・って男以外なら誰でも！？
「次いつ会える？」
「ググれカス」
あしｔ・・・じゃなくてもう会いたくもないわ！
「茄子とか食べる？」
「うｐれカス」
食べないことはないわ。茄子は。
「恋人いるの？」
「・・・・(教えたいけれど・・・・)」

なぜか貴方にだけは素直になれない、ダメなの・・・。


「君の声はいつも心でリピートしてるよ！」
「削除しろ！運営仕事しろぉ！」
そんな恥ずかしいこと大声で言うなぁぁぁぁ///
ほらほら！ミクちゃんとリンちゃんがニヤニヤしながらこっちを見てるし！
別にそんな関係じゃないんですよ！別に・・・。

「君の魅力を(２ちゃんのスレで)語るよ」
「ここはお前の日記じゃねえ」
実際スレを見て青ざめた。内容は・・・言わない。
私はがくぽにメモ帳の束を渡した(もとい投げつけた)。
このスレを見るだけでニヤニヤしちゃ・・・具合が悪くなりそうだったから。

《巡音厨は巣に帰れ　駄スレを立てるな》
がくぽの立てたスレに書いた。もちろんがくぽ宛。
「君の本音が知りたいんだ」

「知るかよ　ググれカス」
知ってるけどお前なんかに言うかぁぁぁぁぁぁぁ！！！

「ググれカス」
お前なんかずっとググッとけばいいんだ！
「スリーサイズは？」
「ググれカス」
そんなこと女子が無防備に教えると思ってんのか！？
「パンツ何色？」
「ググれカス」
スリーサイズ以上に恥ずかしいわ！！！
「パンツ履いてる？」
「楽天でググれカス」
ピッピッ・・・もしもし警察ですか・・・。
「ずっと好きだよ」
「でっていう」
そんなお前はヨッシーで自分だけ穴に落ちればいいんだ！
「愛してるんだ」
「マルチ乙」
なんかそんな整った顔でそんなこと言われたら・・・///
「気持ちわかって」
「・・・(分かっているのに・・・)」

私の‘本音’は、心巡るの・・・。

こんな態度じゃ貴方に・・・がくぽに嫌われちゃう。
貴方が誰より一番・・・。


「好きなの　気付けバカ////」


はっ！なぜか私のそばにがくぽが！絶対今の聞かれた！
「勘違いしないでちょうだい！べ、別に、あんたのことじゃないんだから・・・！
　顔が赤いのは、赤身マグロのせいよ！」
「本音は言わないんだ」
「言えない」
言えないに決まってんじゃない・・・。
「君が好きだよ」
「馬鹿みたい」
嘘。ほんとの馬鹿はほんとの気持ちが言えない私。
その『本当の気持ち』がググられちゃったらもう・・・・

私を、まるごと貴方に―――ageちゃう―――