『かーごめかごめ かーごのなーかのとーりーは』
手を繋ぎ回る子どもの輪の中心に、顔を両手で覆った少女が一人、座っていた。
辺りに、子どもの歌声が響く。
『いーつーいーつーでーやーるー よーあーけーのーばんに』
昔々から繰り返されてきた、遊び。
今日も、何も変わらないはずだった。
『つーるーとかーめがすーべった うしろのしょうめん――…』
「……?」
唄が、途絶える。
不思議に思い、少女は後ろを振り返った。
「…だぁれ?」
見知らぬ男が、下卑た笑いを浮かべていた。
籠女 第一ノ幕
おいで、と手を引かれ、輪の中から引きずり出される。
助けて、と。
助けて、誰か、とおさま、かあさま。
叫ぶ、少女。
家はすぐそこだ。父や母に、その声は聞こえたはずなのに。
誰からも救いの手は、差し伸べられない。
気付けば一緒に遊んでいた子どもたちも、散り散りに逃げて行ったあとだった。
「や、やだ…離して、わたしも、うちに帰る…」
必死に抵抗し、掴んでくる腕を振り払おうとする、が。
「お前にはもう、帰る家なんて無いんだよ」
無情な声が、頭上に降り注ぐ。
「――え…?」
驚き、目を見開く少女に、相変わらず男は、厭らしい笑みを浮かべた。
「今までお前を食わせてやったんだから、これからはお前が、その身体を売って親に恩返しするんだよ」
「……な…う、うそ…」
「嘘じゃねぇよ、嘘言ってどうする」
現に誰も、助けに来ねぇじゃねえか?
暗にそう言われた気がして、少女は喉元を押さえた。
見えない手に、首を絞められているような、そんな圧迫感。
息が、苦しい。
「別にとって食うわけじゃねぇ。今の暮らしより、ずっと楽できるんだぜ?」
心配することは無い、と下品に笑う男の声が、頭に木霊する。
確かに、このご時勢、生活に困窮し子どもを売る親はいる。
男の言葉通りの思想が、一般的なのだ。
けれど、それが我が身に降りかかるなどと、少女は微塵も思っていなかったのだ。
「…んで…なんで…」
掠れた声が、零れる。
静かに頬を伝う雫は、やがて黒い地面に吸い込まれた。
「ほら、行くぞ」
安穏な日々から、連れ出される。
自由の無い、籠の中の日々へ、押し込まれる。
聞こえないはずの錠の音が聞こえた気がして、少女は泣き顔を更に歪めた。
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