!!!Attention!!!
この話は主にカイトとマスターの話になると思います。
マスターやその他ちょこちょこ出てくる人物はオリジナルになると思いますので、
オリジナル苦手な方、また、実体化カイト嫌いな方はブラウザバック推奨。
バッチ来ーい!の方はスクロールプリーズ。










 気まずい空気のまま歩いていたけれど、カイトがすごく気を遣っていつものように話してくれていたから、お布団の売り場についた頃には随分気も楽になっていた。
 カイトには、心配させてばかりだし、気を遣わせてばかりだ。今日の買い物だって、もう少し仲良くなれればと思って誘ったはずなのに、自分の行動はまるでそれと正反対なのだから。
 並んだお布団をどれにしようかと見つめながら、少し離れた場所に置いてある椅子に座ってこっちを見つめているだろうカイトに、少しだけ文句を言いたい気持ちになった。
 カイトの方が色とかのそういう風なものにセンスがあるのだから(というのは服の件で立証済みだ)、自分で選んでくれればいいのに。
 自分の好きなものを選んでくれればいいと言った私に、カイトはにこりと微笑んで「マスターが選んでくれないか?」と言った。
 彼の好みもわからない上にセンスも皆無の私には、はっきり言って荷が重い・・・のだけれど、文句を言えなかったその時の自分を叱咤したい。
「・・・自分で選んでくれたら良かったのに・・・」
 今更ながら文句を言いつつ、結局手に取ったのは薄い水色の、シンプルなお布団。カイトのカラーが青だからとかいう安易な考えで悪いけど・・・そこは私に頼んだカイトが悪いということにしておこう。
 セットになっているものを選んで手に取り、持って行こうとすると、いつの間にそこにいたのやら、カイトが軽々と受け取ってレジへと歩き出してしまった。まるで司君みたいだ。
「え、あ、まっ待って、くださいっ・・・!」
 カイトはそう言った私の方を振り返ってにこりと笑う。
 その仕草を見ていられなくて顔を伏せる私は正常だろうか、それとも・・・異常だろうか。
「荷物持ちは男の仕事だろ?」
 その声が、カイトの声なのに司くんの声と重なる。司くんは『女なんだから楽していいんだよ』と言いながら荷物を持ってくれた。
 かっこつけで、でもそれを本気で言う司くん。本心が見えないカイト。
 でも、二人はどこか似ている。
 そしてカイトは・・・カイトは、あの人にも似ていて。
 レジにカイトがお布団を置いて、会計を終えた時、私はぞっとしていた。
 司くんと似ている部分は本当に多いのに、カイトといるとあの人のことばかりが蘇る。決して、辛いことや悲しいことばかりではなかったのに、人間の記憶には楽しいことや嬉しいことよりも辛いことや悲しいことの方が強く残ってしまう。
 それが私に恐怖を植え付けた。あの人を・・・男の人を・・・敵だと思わせる理由はそれだ。
「マスター?」
「はうっ!? い、今っ・・・い、行きます・・・!」
 まるで首輪に繋がれた犬のように、私は素直にその後ろ姿を追った。
 ・・・本当は立場上逆になるべきなのだろうけれど。

 外は日照りが強くて、すごく暑い。少し歩いただけで肌がじりじりと焼けているような気がして、外へ出ない私は肌が白いから、日焼け止めが欠かせない。じんわり滲み出る汗を手で軽く拭いながら、次はアイスだなぁなんて考える。
 道がわからなくて少し後ろを歩くカイトがやっぱり怖いのだけれど、私はそのまま進んだ。そういえばナビシステムみたいなものもあるからカイトに頼めば前を歩いてくれる気もするけれど、そんなことを言う勇気もない。
 お店の中では大丈夫だったのに、外へ行くとやっぱり周りの視線が気になって仕方がない。逃げ出せたらどんなにいいことだろう。ああ駄目だ、これじゃあ堂々巡りだ。
 視線にびくびくしながら歩いていると、突然カイトが隣を歩いていて悪寒が走った。
「・・・暑いの、少しはマシだろ?」
 その言葉で、自分の右側から影が差していたことに気付く。それは私よりも大きな体つきだからこそできることで、私の半身はカイトの影に隠れていて、確かに少しだけ涼しかった。涼しいのはいいのだけれど、必然的にすぐ隣にいるカイトとはたまに腕が当たったりするわけで・・・そのたびに「ふ」とか「う」とか少し高い悲鳴をかみ殺す自分は何て間抜けだろう。間抜けすぎる。
「すたー・・・マスター」
「ぅにゃぁぁぁっ・・・!」
 声にはっとすると、いつの間にかカイトの整いすぎた顔がそこにあって、私はそのままほとんど無意識でゴキブリのようにカサカサと後退りしていた・・・のだけれど、道にはいつか終わりがあるもので・・・。
「みゅっ・・・」
 ガツン、と鈍い音がして、踵をぶつけてしまった私はその場で蹲る。何て馬鹿なの、何て間抜けなの。周りの視線が集まって恥ずかしいやら、ぶつけた足が痛いやら、カイトの行動が怖いやら・・・一体どれに対して反応すればいいのか頭の中でぐるぐる考えが回る。
 ぶつけた踵は酷く痛くて、血でも出たんじゃないかと思うほどだった。
 カイトが近づいてくる足音がする。いつもと違う、少し慌てた足音。そこから感じられるのは、焦りと心配。
「大丈夫か? 立てるか?」
 腕を引っ張り上げようとするカイトに、私は「だだ、だ、大丈夫ですっ・・・!」と立とうとして前のめりにバランスを崩した。何かこんなこと前にもあったなと思いながら、結局腕を掴まれてカイトの胸に突っ込む。
 鼻の頭をぶつけて少し痛い。しかも見上げた彼がすごく心配そうな顔をしていて・・・私は何だかもやもやとしたまま俯いた。
「あ、の・・・あ、アイスっ・・・買って、きます・・・!」
 慌てて走り出すと足が少し痛かったけれど、歩けないほどじゃなくて安心する。
 後ろから「マスター」と呼びかける、私を心配してくれる優しい声を無視して、混乱しながら足を早めた。
 もちろん、まだもう少しお店とは距離があって、カイトは早歩きで小走りの私についてくる。歩幅の違いが恨めしい。けれど、そんな風に思っていたらすぐにお店が見えてきた。
 更に足を速めて息を一つ吐き出す。
 アイス屋さんは少しお洒落なお店で、ちゃんと外にアンティークっぽいテーブルと椅子が置かれている。カイトは手近な椅子に腰掛けて私を待っているようだった。
 男が奢れないのはちょっと恥ずかしいからこっちまで来ないのかもしれない・・・司くんがそうだから、きっとカイトもそうだろう。
 そうだ、最初にこのお店を教えてくれたのは司くんだった。二人で買い物するときは、いつもバニラアイスを一つだけ頼んだ。私が甘いの苦手だから、最初に食べさせてくれて、残りをいつも食べてくれたっけ。
 小さく笑いながらレジに顔を出して「バニラ一つください」とお姉さんに言ってお金を払い、出来上がるのを待っていると、「デートですか?」なんて聞かれてしまった。自分に言われた言葉とは思わなくて「はい?」と聞き返すと、お姉さんにくすくすと笑われる。
「幸せそうな顔をしていらっしゃったので」
「え、あ・・・そ、そうですか・・・?」
 自分の口元を押さえて確かめてみるけれど、いまいちよくわからない。司くんと一緒にここへ来た時のことを思い出していたからだろうか。
 思い出すと司くんの笑顔ばかりが頭に浮かんで、私は顔の熱が少し上がるのを感じた。
「はい、できましたよ。彼氏さんと仲良くしてくださいね」
 にこっと笑う店員さんに曖昧に笑って返しながらアイスを受け取り、スプーンを一つだけ取ってアイスに突き刺す。
 今、私はどんな顔をしているだろう。
 少し熱くて、何だか妙な感じだ。バニラの甘い匂いが鼻先を掠めて、その匂いで舌先だけじゃなく、私の頭まで惑わされてしまったんだろうか。
「どうしよう・・・何か、熱い・・・」
 触れた頬は本当に熱を持っているかのように熱くて、カイトの待っている場所へと向かいながら、初めて感じるその感覚に鼓動が速くなるのを感じていた。

 ・・・これは一体何だろう。










→ep.15

ライセンス

  • 非営利目的に限ります

raison d'etre ep.14

パソコンのデータが呼び出せなくなって結局再セットアップを余儀なく・・・。
バックアップをこまめにとってなかった自分消えてなくなれと思いました。
そんなわけで、raison d'etreの短編とか全部消えてしまってため息しか出ません。
いつまでも引きずってるわけにいかないのでこの辺で切り上げますが・・・本編、思わぬ方向に進んでいる気がするのは自分だけですか。え?願ってもない?・・・・・・そんなことは絶対ありえないですよね。うん、きっとそうに決まっている。
で、これはどういう展開?(でも相方が喜びそうだ(これでも公式じゃないと言い張るよ!))
もう本当に・・・りっちゃん・・・っ!
お願いだからカイトともちゃんと向き合ってあげてください!

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閲覧数:162

投稿日:2009/09/09 12:07:42

文字数:3,354文字

カテゴリ:小説

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  • +KK

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    その他

    >にゃん子さん
    いらっしゃいませ、にゃん子さん!早速にゃん子さんと呼ばせていただいてます!(笑
    二つとも一緒に返信させてください。

    ふおぉ!まさかりっちゃん可愛すぎるとかコメントくる日が来ようとは・・・!びっくり。
    マイナス思考で本当にどうなることかとひやひやしてますが、読者さんに好かれてると安心します。
    (というか嫌われっ子だと思ってました←)
    おいしい立ち位置、にふいた自分は自重した方が良いと思った。
    個人的には司君は嫌いです← 自分に似すぎてて嫌になります。
    でもりっちゃんにまかせてるのでどうなるかは自分でもわかりません・・・。

    いつまでもコメントできなくてすみませんっ・・・!
    いろいろ話まとめるのに必死で・・・またいつか必ず行かせていただきますので!
    それでは、これにて失礼します~。メッセージありがとうございました!

    2009/09/06 08:30:57

  • 望月薫

    望月薫

    ご意見・ご感想

    連投すみません。司くんについて触れるのを忘れてました(酷

    りっちゃんまさかの隣のVOCALOIDをみながらべつの彼にドキドキというちょっとおいしい立ち位置に…!!
    たしかにこれは新ジャンル作品第2号になりそうな予感ですねwwフラグ!フラグ!

    どっちの方向にいっても面白そうなので+KKさんのジャッジが楽しみです!

    それでは連投失礼しました。

    2009/09/06 02:26:45

  • 望月薫

    望月薫

    ご意見・ご感想

    りっちゃん可愛すぎるよりっちゃん(*´Å`*)ハアハア(←
    本編読んでから時間空けてコメントとか申し訳ありません。いろいろ忙しかったもので(汗)
    イケカイトがさらなるイケカイトに進化していてもう鼻血ものです!そしてなによりりっちゃんの変化が…!!
    根底にある男性恐怖症(で、いいのでしょうか?)がまだまだ幅を取っていますがなんかもうほとんど初々しいカップルの初デートに見えてしまいましたwwいや既にデートだwwちょっと自分のことを思い出したり(何を
    少し高い悲鳴を~の部分とか心境は多少(いやだいぶ)違えど似たような経験がwwおかげで心臓がバクバクでした(いい意味で)。

    ほんともう今更なんですが様付けでなくていいですよ。ていうかむしろ恐れ多くて(←ヘタレ
    自分もさんで呼んでしまっているので。尊敬してるのに様付けでなくてすみません、こういうやつなんです(どういうやつ
    あ、あと投稿したものを読んでいただけて大変光栄です!読んでいただけるだけで幸せです!文章力も表現力も皆無なのでほんと読者がいてくださるだけでバケツプリン飲み干せます!!(分かりにくいネタでサーセンww

    バカ丸出しのコメントですみませんでした(汗)

    2009/09/06 02:05:48

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