今回のターゲットは身内。そして殺してはいけない人物。
でも殺さなければ、リンを守れなくなる。それだけは避けたい。殺した振りをしたい。きっと本人は隠れない。隠し事が嫌いな性格をしているから。
「ごめんね、メイト」
手に入れた情報場所から離れた茂みの中で、弓を構えてターゲットが来るまで待機する。姿が見えるまで、ターゲットであるメイトに謝罪の言葉を思い浮かべる。
姿が見えたら弓を引く。何が聞こえようと見えようと気にしない。実行場所から素早く去る。痕跡を残さない。去る時は背後を気にしない。
暗殺の鉄則は厳守しなければならない。
もしも一つでも守れなければ、秘密が明かされてしまう。きっと大臣は、それを"女王陛下への反逆行為"と題し、私に全ての責任を押し付けて闇に葬るに違いない。駄目よ、それだけは避けなければならない。
まだ伝えていない事がある。
リンと・・・レンに。彼らに伝えなければならない事実がある。
数人の足音と草をかきわける音に気付く。
抜けかけていた力を入れて弓を構える。ガサガサと、音が近くなってくる。見覚えのある黄髪が見えた瞬間、躊躇することなく弓を引いた。
「リン!」
メイトの叫び声と共に、私の引いた矢が刺さる。狙い通り、正確に急所を。メイトの心臓を一突き。それだけで、彼の人生に幕が閉じる。
「・・・さよなら、メイト」
呟きながら、その場から去った。
リンの側仕え使用人の叫び声や人を呼ぶ声も気にせず、私は城下町へと向かう。黒コートで全身を隠し、後ろ姿で性別が分からないように。
城下町に近付いてきたら黒コートを裏返し、裏地の桜色をした模様のドレスとして着用し、何気なく人ごみの中に紛れ込む。誰も疑わない。まるで最初から城下町の道を歩いていたかのように紛れ込んだ。
そして酒場へと足を踏み入れ、待ち合わせの相手に声をかける。
「お待たせしました」
ブランデーの入ったグラスを片手に、ほんのり頬を赤らめて振り向いた彼女は、隣で酔っ払っている青国の王子を迷惑がっていた。
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