指先から解き放たれていくの寂しくて
いつまでもずっと触れないでいました
そうして檻に閉じ込めておくように見えて
健気に笑いかける姿に耐えられずに私は

それは恐らく求められる希有な形をして
誰もがこぞって手を伸ばし続けている
向き合って戦って傷ついて手にしようとする
それを見ていることしか出来なくなっていた

小さな呼吸と潰えそうな灯火のそばには
目を閉じていてもそれは触れる幾つもの唄
奪われない過ぎ去らない共に息をしている
でも惜しくなって見ないふりをしてばかり

今すぐにだって象られていくのに
時間を盾に卑怯者で居続ける私は


口先から撒き散らされていくの嬉しくて
どこまでも遠く紡がれていました
そのまま枷を取り外したように跳ねて
ケラケラ笑いかける姿に思いがけず私は

これは長らく苦しんだ先に有るもので
誰しも悩んで身を焦がし続けている
解き明かし刃向かって血まみれで引き寄せている
それを眺めることしか出来なくなっていた

静かな足取りと壊れそうな体温のそばには
背を丸めててもそこに集う幾つもの星
褪せるとなく朽ちるとなく共に月を見ている
ただ離れたくなくていないふりをしてばかり

意地悪だなんて怒られてしまうのに
自問自答も下手っぴで居続ける私は


そこにあるものを今までもこれからも
何一つ軽んじることはないでしょう

灯る星も消ゆる意志も共に巡り続ける
掴み取った輝きはまるで雪のように

稚拙な瞳に射した数少ない音色だって
その瞬きを感じるには足りない時間

指の隙間からこぼれていく声に倣って
それでも何かを掴もうとするなんて

色あせたフィルムに染み込んでいく涙は
どうしてずっと透明で在るんだろう

眠りの奥で紐解かれた明日の中身すら
私を突き動かすことなんてないのに


庭先から朽ち果てていくの愛しくて
どうしてか酷く待ち焦がれてました
ソワソワ鍵をかけそこねてるように見せて
消えない呪いかける命に笑いながら私は

あれは痛みと傷痕を持って得るもので
誰彼構わず身を削り続けている
恋い焦がれ挑んでは血眼で目論んでいる
それを待ってることしか出来なくなっていた

微かな脈動と千切れそうな脳波のそばには
息潜めててもいずれ纏う幾つもの欠片
冷えるとなく日照るとなく共に風を集める
すわ別れを偲んで笑うふりをしてばかり

こんなことを真似するくらいならば
溶岩の滝に打たれる方が良いよ


小さな呼吸と潰えそうな灯火のそばには
目を閉じていてもそれは触れる幾つもの唄
奪われない過ぎ去らない共に息をしている
でも惜しくなって見ないふりをしてばかり

今すぐにだって象られていくのに
時間を盾に卑怯者で居続ける私は

誰も居なくなってしまう前に
誰も居なくなってしまえば良い
それだっていつも寂しいくせに
袖に染み込んだ涙がまだ乾かない

もう乾くことはない

ライセンス

  • 非営利目的に限ります

泣き虫ドライアイ

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投稿日:2023/12/30 00:03:31

文字数:1,200文字

カテゴリ:歌詞

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