夜の帰り道、ときどき空を見上げることがあります。
街の明かりが強いせいで、多くの星は見えません。
それでも、そこに星がないわけではない。ただ、こちらから見えないだけです。
映像の仕事をしていると、そのことを思い出す瞬間があります。
誰かの言葉や表情は、最初から光っているわけではありません。
打ち合わせのテーブルに置かれたアイデアは、まだ輪郭も曖昧で
どこへ向かえばいいのか本人でさえ分かっていないことがあります。
僕の仕事は、その小さな光を探すことなのだと思っています。
派手な演出よりも、一瞬だけ見せる沈黙。
勢いのあるカットよりも、ふと視線が揺れる数秒間。
そのほうが、その人らしさを語ってくれることがあります。
だから編集をしている時間は何かを作っているというより、静かな発掘作業に近いのかもしれません。
世の中には誰にも気づかれないまま終わっていく才能や想いがあります。
でもそれは価値がなかったという意味ではありません。
夜空に見えない星がどこかで静かに燃え続けているように
人の中にもまだ言葉にならない魅力や物語があります。
それを誰かが見つけ、形にしたとき、初めて光として届くことがあります。
ショート動画は短い世界です。
だからこそ、ほんの一秒にも意味があります。
その一秒が誰かの心を動かし、その人の未来を少しだけ変えることもあります。
僕はそんな映像を作りたいと思っています。
目立つ光だけを追いかけるのではなく、まだ誰にも見つけられていない星を探し続けたい。
その星が最後まで光にならなかったとしても、燃え続けた時間そのものにはきっと意味があります。
僕はそう信じています。
そして今日もまた、誰かの中に眠る小さな光を見つけるために、カメラと向き合っています。
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