「へえ〜っ、ヒトのお家でアイテムを探しちゃダメなんだって」

「んまあ、たしかにドロボーと同じになっちゃうわね」

「スカイリム地方とウェイストランドって何処だよっ! なんの説明なんだよっ!」

 3人はアイテム探しのルールを理解したので、さっそく町の公園に向かい所有者のいないアイテムを探してみることにした。イバーノの町の公園は自然がすこし残る雰囲気で、自分たちの故郷を思いださせてくれている。
 地面は柔らかな土、空を見上げれば晴天とそよ風のハーモニーが公園に来る子どもたちを歓迎するのだ。

 ミクたちはアイテムが在るかも知れない花壇に足を踏み入れた。花壇とは言っても、観賞用のキレイな花が咲いている訳ではない。
 このセカイの花壇には“やくそう”やハーブ、その他野生の草花《ざっそう》が生えており、採取するついでに花壇を整備すれば町のヒトが喜んでくれるようになっている。

「やくそうはあるかな〜っ♪」

「ミクちゃんのうちは薬屋さんだから、草花に詳しかったわよね?」

「そうだよ♪ なにか気になったら私に質問してね」

 3人揃って仲良く花壇の上で『ガサゴソ、ガサゴソ』するとアイテムを発見した。


ミクはやくそう×2を手にいれた
リンはハーブを手にいれた
レンはペンペン草を手にいれた


「レン。その草、ただの雑草じゃないの?」

「僕にはちょっと、わかんないよ。この草は使い道あるかなミクちゃん?」

「ペンペン草は食材アイテムになるよ♪。お粥で調理すればグッド♪」

 GETしたアイテムはいちおう、すべて自分たちに必要あるアイテムだった。続けざまに花壇の上を『ガサゴソ、ガサゴソ』していく。


ミクはハーブ×3を手にいれた
リンはイヌのフンを触りかけた
レンはやくそうを手にいれた


「イヤァーーッ!! なんで花壇にイヌのフンがあるのよっ!?」

「うわっ! 汚いっ!。僕に取らせようとするなよっ!」

「ハズレだったねリンちゃん」

「イヌを散歩させるなら、ちゃんと処理しといてよね」

 花壇でのアイテム探しは必ずしも当たりがくる訳ではなかった。そうこうしている内に公園の花壇の上は、キレイに整備できた。


ミクたちのパーティーに14の経験値がそれぞれ割りふられていく

[LEVEL UP]

ミクのレベルが3から4にあがった
リンのレベルが3から4にあがった
レンのレベルが3から4にあがった

「花壇整備でレベルアップするなんて、どんなシステムなんだよ?」

「これはねレン君、おもいやりシステムだって旅の手引きに書いてあるよ」

 おもいやりシステムとは、自分たちの向かう旅先で他のヒトに喜ばれると経験値が入るシステム。倫理観が問われる場面で、よい行いをすればするほど経験値の入りかたが違ってくる。

この作品にはライセンスが付与されていません。この作品を複製・頒布したいときは、作者に連絡して許諾を得て下さい。

G clef Link イバーノの町でクエスト15

ヒトに喜ばれる行動は難しくない
難しいのは喜ばせようと考えても行動に移せない勇気だ

次話
https://piapro.jp/t/Gl3D

閲覧数:164

投稿日:2020/01/02 21:14:38

文字数:1,170文字

カテゴリ:小説

オススメ作品

クリップボードにコピーしました