レンは駅前のデパートに向かって走っていた。
別に急いで来いとは言われてない。けれどもなんか急がなきゃいけないような気がする。必死に走っていれば他の事を考えなくてすむから。かもしれない。
(確か服の店があるのは7階だったはず、エスカレーターを使うより、入口近くの階段を使ったほうがはやいかな)
デパートのドアを通り、階段を駆け上がる。息は切れているし、足も疲れている。けれども止まろうとは思わない。
すれ違う人が何があったと驚きの目で見るが、レンはそんなものもお構い無しにただ走る。
7階分の階段を登りきり、カイトを見つけたレンはカイトのそばまでかけていった。
「はぁ…はぁ…。おま…たせ…。はぁはぁ…」
レンは手を膝につき、途切れ途切れに言った。
「そんな急いで来なくても良いのに…」
「…俺もそう…おもったん…だけど…なんか無性に走りたくなって…ね…」
「ふふ、それもまた青春というものなのかな…。まぁ息が整うまでそこのベンチで座ってなよ。」
「うん、…わかった…」
レンはベンチに腰掛ける。
しばらくして息が整ったレンは「もう大丈夫」と言ってカイトと一緒に歩き出した。
「レンはどんな服がいいんだい?」
「どんなって言ってもよくわからないな…」
「だから僕に頼んだんだったよね」
カイトが頭をかきながら言う
「まぁ、一緒に選ぼうか。やっぱりレンが着るならこんな感じとか良い思うけど…」
「うん、でもこれとかは?」
「……」
「…」
リンはその頃公園を出てとくに目的地は決めず、プラプラと散歩をしていた。
「ん~、良い天気ぃ~」
機嫌がいいのか鼻歌を歌いながら、歩調良く歩いている。
「あ、本屋だ。寄ってこーっと」
上機嫌で本屋のドアをくぐり抜け中入る。
何かないかと本屋の中を回っていると、雑誌コーナーの当たりで足を止めた。
リンは雑誌のひとつを手にとった。
しばらく立ち読みしてリンは「これだぁ」と独り言を言いその雑誌を持ってレジに向かう。
会計を済ませ、その雑誌の入った袋を持ち本屋を出ると、すぐに本を出し、読みながら歩き出した。
「ふ~ん、そっかぁ…」
ふと、リンは顔を上げて
「これからどうしよ?特に行くとこもないしなぁ…」
「帰ろっかな」
そしてリンは家に向かってあるき出した。
それとほぼ同時刻…
メイコは家でタンスを漁り回して何かを探している
「あれぇ~、どこにしまったっけ?」
「あ!…なんだ違うわ。これじゃない」
「…あー!ずっとなくしたと思ってたけど、こんなトコにあったのね、これ。よかった~」
「…じゃなくて!今探してるのはこれじゃない…」
メイコはポケットに押し込み、また捜索を始める。
それから少したった頃
「ふー、ざっとこんなもんかな」
買物袋を持ったカイトが一息つく。
「なんか全部払って貰っちゃったけど、平気なの?」
レンが申し訳なさそうに尋ねる。
「え?ああ、出世払いね。」
「って言っても俺はまだ安月給だよ~。仕事も少ないし…」
「仕事は選ぶんじゃなくて勝ち取っていくものだよ」
「ボクみたいに、戦隊モノだとか特殊衣装だとか面白い歌だとか演技だとか…」
「戦隊モノって[卑怯戦隊]だし、特殊衣装って言ってもぶっちゃけ[裸にマフラー]だし、面白い歌ってつい最近まで[9割近くネタ歌]だったし、演技は[いつも噛ませ役だとかいじられ役とかやられ役]だしさ~」
「俺はそんなのはイヤだな」
きっぱりとレンは言い切る。
「い、いや~思ったよりああいうのも悪く無いんだよ…」
カイトはちょっと冷や汗をかきながら言う。
「それはもうアニキがそういう役回りがハマっちゃったんじゃない?」
「うっ…そうなのかな?もう普通の役は来ないのかな?もうボク駄目なのかな?」
「ねぇ、レンはどう思う?」
カイトが目を潤わせてレンに聞く。
(うわメンドクセェ…ネガイトになっちゃった)
「…うーん。でもほら、最近マトモな曲とかの依頼も増えてるし、その大人の美声に惹かれてる人も増えてるよ」
「…でも少し前に新しい人が出て来たじゃん…。紫の侍みたいなさ…」
「…あの人はカッコイイ低音が良いって評判だよ…?」
「な、なら透き通るような美声でアイドルのカバー曲をやればいいじゃない?アニキの良さが強調されるよ」
「ね、ほら、可能性は無限大に満ちてるじゃない?」
「…そうだね。…なんか自信が出て来たよ。」
「そう、よかった。頑張ってね」
(ホントメンドくせー)
「うん。」
「じゃ、じゃあこの後どうする?」
「あ、行きたい所があるんだ」
カイトが言う
「ふーん、いいよ」
「本屋に行こう」
本屋に行きながらカイトが説明を始めた
「先週(玄人が選ぶアイス百選)っていうのが発売されてね、それが欲しいんだ」
「…ぴったしだね」
「えへへ、楽しみでしょうがないよ」
「ここらへんにあるはず…あ、あった」
「よかった、まだ残ってて」
「よかったじゃん」
(そんなん売り切れたりしねぇよ…)
「早く買って帰って読もうっと」
「じゃあ帰ろうか」
「うん」
レンとカイトもまた帰路についた…
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