普段あまり体を動かさないせいか、それとも向こうの体力が桁違いなのかは判らないが…。

「つ…疲れた…。」
「何だよあの2人…特にウサギ野郎！IH級なんじゃね？」
「ちょぉーっと休憩！」

闇雲に追い駆けても得策では無さそうだ、こちらがイタズラに体力を削るだけ。

「少し策を立てる事を提案します。」
「…喋ったよ神父…。」
「はい、私からも提案。何て呼べば良いのかな？DNってのを教えてくれない？
　えっとね、私は、じゃあ、チコリで。」
「私はうさぎ…いやラビットと呼べ。」
「はいはーい、俺は絶対スナイパー！これは譲らないよ！」
「んな名前誰も取らねぇよ…じゃあ…えっとクラムで。」
「クラムって何だ？」
「…ハマグリ…。」
「金髪さんはハマグリ好き、と。」
「メモんな！」

自分の呼び名…？別名など今まで必要も無かったしこれと言って思い付かないな、しかし本名を言うのはペナルティと言っていたし、何かしら考えないといけない様だ。

「う～ん、思いつかないなぁ…あ、ねぇ、そこの花の名前判る？」
「えっと、鳳仙花ですね。」
「じゃあ私鳳仙花で。」
「安易だな。」
「良いじゃない、綺麗な花だし。」
「あ…じゃあ私はそのまま花壇で。」
「黄色さんは？」
「シャルロット・フランボワーズ・リリエットで！」
「………………………………………。」
「痛っ…！」
「理解不能…。」
「つか長いよ。」
「近寄るな。」
「『リリエット戦記』の主人公ですね。」
「そうそう！判る?!良いよな～！あの戦うお姫様！」
「私妹のロレッタの方育ててたので…。」
「ヲタトークは後！長いからもう頭取ってシャルロットで良いだろ？」

かなり話が飛躍している気がする、と言うかシャルロットとは女性の名前では無いのか？仮の名前とは言えど何故女性の名前を名乗る？そう言う物なのか？いずれにしろ私は遠慮したいな。

「ねぇ、貴方は？神父さん。」
「もう神父で良いんじゃね？」
「えー？でもそれじゃあ何かつまんなくない？」
「何か無いのか？見た所ジャンガリアン色だからジャンガリアンとか…。」
「えっと、何か好きな物とかは…？」

好きな物？食べ物で好きな物は紅茶…しかし『紅茶』と呼び止められるのも何か違う気がする…だが、こんな所で行き詰まっては他の参加者に迷惑がかかるのではないか？好きな物…好きな物…好きな…。

「あ、あの、大丈夫ですか？」
「…ハレルヤ。」
「え？」
「ハレルヤと、呼んで下さい。」
「了解、ヨロシクね、ハレルヤ。」
「ハレルヤか、そんな感じだな。」

今更だが、少々罰当たりかも知れないな…。