「――それで?今日は何しに来たの」
紅茶を出しながら、カイトが言った。
「別にどうってことないんだけどぉ」
ティーカップを両手で持ち、香りをかぎながら言葉を濁す。
「レンガどうってことない、っていうときは、何かあるときなんだ」
「よくわかってらっしゃる」
自分を理解されているというのはいかにも微妙な気分だ、とレンはあきれたようにため息をついた。
「で、どうしたっての」
椅子に座り、カイトは聞いた。
そうほいほいと話すつもりではない。ただ、ここに来て紅茶を飲むと、心が落ち着いて冷静になれるのだ。カイトには悪いが、彼に話をしようとしまいと大して変わりはしない。
紅茶を飲みながら、レンはふと考えた。
「――カイト」
「うん、どうしたの?」
「どうして死神っているのかなぁ」
「どういうことかな」
「人の死を見届けたところでなんになるのかなぁ、ってさ」
敬語の崩れたレンは、どこか悲しげだった。
その横でしばらく真剣な表情でいた下位とは、何かを考えるように腕を組んでぶつぶつと何かをつぶやいたかと思うと、いきなり、
「レン」
と言った。カイトに背を向けて紅茶を楽しんでいたレンはくるりと向きを変え、カイトの方に体を向けた。
「一概に何ため、とは言えないけれど、死神の存在は否定できないし、あるべきものだと俺は思うよ。兎に角俺たちは死神だ。その存在は絶対だし、それに疑問を抱いてはいけない。自分に疑問を持ったら、自分が自分ではなくなってしまうよ」
優しく諭すようなカイトの言い方に、レンは思わず何度かうなずいて、わかったフリをしてしまった。なんとなく、聞き返すと自分がひどく馬鹿みたいに見られるような気がしたのだ。
きれいな青の瞳同士が、違う色に曇っていた。
「――じゃあ、そろそろ。仕事に戻らないと辞令が出ちゃうから」
笑ったレンを見て、カイトは少しだけほっとしたように微笑み、「うん」とだけ言って、レンを見送った。
「――ただいまー…って、ここは僕の家じゃないんだっけ」
自分で勝手に突っ込みを入れ、レンは孤児院の中に入った。
「遅かったですね」
出てきたのは、ルカだった。
「あれ、他の皆さんは?」
「病院です」
簡潔に答えたるかを見つめるレンの瞳は、驚きと絶望に満ちた色をしていた。
カラフルワールド 8
こんばんは、リオンです。
眠い眠い眠い眠い眠い眠い眠い眠い眠い眠い眠い眠い眠い眠い眠い眠い眠い眠い眠い眠い眠い眠い(黙
はい、眠いんです。
毎度のことながらうざい眠さ。
今日も早く寝ます。
おやすみなさい!
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