『私ね、将来、歌姫になりたい!そして、皆を幸せにするの!』

そう言っていた自分がいた。
そんなこと、叶うはずないと、知っている自分がいる。




「また駄目か…」
私――初音ミクは一人呟いた。
就職活動を試みているが、なかなか上手くいかない。
夢見ていた世界と、現実の差を叩きつけられた。
それぐらいでへこたれていちゃ駄目だ。
それは分かっている。
分かっているけど
でも、

都会は疲れたよ。






もう街は暗くなっている。
キラキラと光る電飾が、辛い世の中を照らすように輝いてる。
「会いたいよ…」
昔からの親友で、今は遠くにいる恋人の顔が思い浮かんだ。
私は頭を振って、それを掻き消す。
私は自分の意思で都会に来たんだ。
こんなんじゃ駄目だ。
私は近くにあったベンチに座った。
色々な人が、家路についていく。
様々な人が、私から過ぎ去っていく。
携帯電話で時刻を確認する。
もうこんな時間だ。早く家に帰らなくては。
鞄に携帯電話をしまおうとした。そのとき、

pppppppppp pppppppppp

電話が鳴った。

「もしもし」

「ミク?俺」

「ク オ?」
電話から、とても懐かしい声がする。昔から聞きなれている、大好きな声。

「そう、俺。…なんか元気ないみたいだけど、何かあった?」

「都会は厳しいからな。へこたれてもいい。」
ああ、何でこの人は
「でも、弱音は絶対吐くな。」
こんなにいいタイミングで掛けてくるんだろう。
「くじけても、絶対に立ち直れ。」
おかげでいつも
「俺がいる。だから、頑張れ。」
泣きそうになる。


「ありがとう、クオ。私、頑張る。」




都会は厳しくて、くじけそうになる。
でも、私は立ち上がれる。
私を応援してくれる人が、いるから。


たとえ遠く離れていても。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

未来

昨日投稿しようと思ったけど、消えました。

こんにちわ、美里です。探し物の方が全然進みません。でも、待っててください。約束の花も頑張りますから。

今回は、大人のクオミクです。クオミクを書くことが多いのは、何故かそうなるからです。これから、ミクの逆転劇が始まります。
そちらの方は、いずれ書くと思います。
今回は、ちゃんとテーマを決めました。じゃじゃん!
『立ち直ろう 応援してくれる人が きっといる』
です。


今月は、鏡音短編を書くことがいつもより多いと思います。

閲覧数:125

投稿日:2011/12/06 18:47:30

文字数:766文字

カテゴリ:小説

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