「・・・ん」
執事が目を覚ますと、
「おはよ、執事」
アリスが執事の顔をのぞき込んで言います。
「・・・ここは?」
「貴方の部屋よ。あの後、メイドたちに頼んで貴方を部屋まで運ぶようにしたの」
「・・・よくメイドたち承諾しましたね」
「私の頼みだもの。メイドたちは私の味方なのよ♪」
「僕にとっては、敵ですよ・・・」
嬉しそうなアリスと対照的に少しうんざりな様子で呟く執事。そんな執事にアリスは首を傾げかけて、
「あっ、そっか。メイドたちがいるから、そんなに変ことできないんだ」
何か納得した様子で言いました。
「・・・最近、妙な推理力が身に付き始めていますね。・・・はぁ」
執事はますますうんざりした様子で呟きます。
「そういえば、メイドたちから攻撃受けてたけど、大丈夫?かなり痛そうだったけど」
アリスは急に心配する表情になりました。
「えっ・・・、あ、はい。大丈夫ですよ」
そんなアリスにどきっとしながら頷く執事。
「良かった・・・メイドたちも多少手加減してたのね、さすがだわ」
「いや、手加減なしでしたよ、あれは・・・」
執事は言いかけて、はっとしました。
「そういえば、メイドたちの中に1人ハリセン持ってたんですけど、あれって・・・?」
「ほら、やっぱり。ハリセンって案外痛くないものよ。・・・と言っても、金属バットとか蹴りとか殴るとかと比べればの話だけれど」
「・・・」
執事はほんの少しメイドたちに対する偏見を変えました。・・・ほんの1割だけですが。
「・・・ねぇ、執事」
アリスはまた雰囲気を変えて、
「少し歩かないかしら?外の空気にも触れたいし」
そう言って、窓から外の景色を見ました。
「いいですよ。たまにはそっちの方がいいですし」
執事は優しげに言いました。やっぱり、外は1人で歩くより2人で歩いた方がいいです。執事は心の中で、そっと呟いたのでした。

「やっぱり、外はいいわね。緑も多いし、空は青いし、隣にいる名目上は執事、本当は誰よりも大切な人がいるし」
うーん、と思い切り伸びをしながら呟くアリスの言葉に、執事は少し恥ずかしくなって、
「・・・そんなこと、本人の前で言わないで下さい。・・・特に2人っきりの時は」
「2人っきり、だからこそ言うものよ? だったら、いつ言うのよ」
「・・・やっぱり2人っきりの時でいいです。おkです」
「分かればいいのよ分かれば」
相変わらずなアリスに執事は何で自分は好きになってしまったのかと頭を抱えたくなりますが、いくら考えても分からないのです。
だから、執事はもうアリスのことが危ない程好きだからいっか、と非常に勝手な理論に落ち着くのです。
いつか、ほんとに好きな理由が分かるはず。今は、まだ分からなくていいのかもしれませんね。
執事は隣にいるアリスを見ながら心の中で言いました。
「・・・何私のことを見ているのかしら?喧嘩売ってるの?」
アリスは執事を睨みつけました。
「いえ、ただ・・・」
執事は目をそらして言いました。
「貴女のことが可愛くて仕方なかったんです」
「・・・!」
アリスは、ぷいっと顔を思いっきりそらして、
「そんなんじゃ、女の子を口説き落とせないわよ。」
と悪意たっぷりで言った後、少し考えてにやりと笑いました。
「まぁ、仮に口説き落とせるとしても、執事じゃあ駄目でしょうよ!」
「・・・」
なんか、もう黙り込んで今すぐにでも現実逃避したい執事なのでした。
「・・・・・あ、ここ・・・」
アリスは少し悲しそうな表情をして立ち止まりました。
そう、ここはちょうどレン王子が倒れたところでした。執事も立ち止まります。
「・・・今頃、何してんのかしら・・・レン王子。」
ぽつりと呟かれたアリスの言葉に、
「今頃、活躍してますよ、きっと」
執事は優しく言いました。
「・・・そうだといいのだけれど」
アリスはそう言って、切なそうに笑いました。
「それにしても、不思議ね。貴方が言うと、どんな嘘でもほんとになりそうだわ」
「・・・」
執事は、少し意味が分からず、首を傾げました。うさ耳も傾げます。
「さ、戻りましょ、お腹すいた。もう昼が近いもの」
アリスはそう言って、執事を振り返りました。
「・・・はい」
執事は優しい感じで頷いて、2人はまた室内へ戻ったのでした。

           END ?

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

不思議の国のアリスとうさ耳&執事+眼鏡verカイト その17

皆さんこんにちは、もごもご犬です!
今回は執事がロリ態(ロリコン×変態)じゃないんですね、今回だけですが何か←
次回からは急展開になると思いますが、マイペーースで頑張ります。
それでは失礼いたしましたよー

閲覧数:88

投稿日:2010/01/05 15:08:09

文字数:1,788文字

カテゴリ:小説

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  • hogawa_511

    hogawa_511

    ご意見・ご感想


    久しぶりに1番コメントです。
    執事がやられへたれ似非紳士じゃないことに少し戸惑いを隠せないホガワです。(形容詞が…

    危ないほど好きって…童女趣味的な意味でですね。分かります。(ほど×→けど○)
    今回は久しぶりに(?)甘い話ですが、次回は急展開らしいのでどうなるか楽しみです。
    (執事の扱い的な意味も含めて)

    先ほどって言うか15話目のコメントでも忘れてましたが、
    今年も頑張って素敵な話を書いてくださいね。
    今後も(ペースのズレはありますが)応援させていただきます。
    それでは連続コメント失礼しました。

    2010/01/22 01:03:58

    • もごもご犬

      もごもご犬

      こんばんは!3度目の参上のもごもご犬です。
      今回は久々にまともな話です!
      多分1年に1、2回の割合で←
      童女趣味的wwwwイコールロリコンwww←

      次回は急展開になると思いますが現時点ではまだ分かりません。ですが楽しみにして頂ければ嬉しいです!
      応援ありがとうございますwすっごく嬉しいですよww
      お互いマイペースで、頑張りましょうね!
      それでは失礼しましたよー!

      2010/01/22 18:59:39

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