「・・・・はぁ、どこ行ったんだぁ・・・あいつ」
それからの20分後。あちらこちら走り回っていたせいで動悸・息切れ・気付け(←ん?)が激しかった。
「・・・もしかして、あっちか・・・!?」
レンは1つ場所を思い出して疲れも気にせず、駆け出した。
・・・間に合えばいいな。

その頃。
「本当にグルトって、あの人に似てる・・・」
「・・・ん?あの人って、誰だ?」
「・・・・・」
本当は分かっているくせに、あたしよりも<確信犯>なグルトは首をひねった。・・・あの人のように。
「・・・・ねぇ、グルト。本当は・・・分かっているんでしょう?」
あたしは少し間を置いて尋ねた。
アリバイ・・・じゃなくて、真実推理を教えてあげるために。
そう、あたしは探偵リン。
あの人のように真実から逃げたがっている人に真実を突きつけるために・・・。
・・・また、あたし自分責めちゃうんだろうな・・・でも、まぁいっか。
だってあたしは探偵リン。客観的に物事を判断する立場にある者。・・・でも<探偵ごっこ>の場合はどうなるんだろう・・・。
まぁ、いいや。
あたしはそう思ってあらゆる雑念を切り伏せた。
さぁて、今から<解決編>するよ・・・・・。
もう、助けに来ないレンのことなんて・・・・知らない。

「・・・・むぅ、電話もつながらない」
その頃。ミクたちはあらゆる手を使ってリンの居場所を探していた。
まず、リンが行く所や生きそうな所を探してみた。
公園、コンビ二に、咲と涙と悪亜が住んでいる家などくまなく探してみたのだが、どこにもいなかった。
それで、さっきリンの電話に23回目の連絡を試みたところ、結果はやっぱりつながらなかった。
「・・・ほんと、レンといい今回のリンといい、なんで失跡するのが好きなんだよ!・・・・まじやだな、こんなのって」
「・・・うん。私もいやだよ、アカイト。昨日まで何にも変わらずに明るく元気なリンちゃんだったのに・・・」
アカイトとミクは思いを声にした。
「・・・・・」
カイトだけは何にも言わなかった。
ただ、難しそうな表情で窓の外に目をやっていた。
まるで、求めている答えがそこにあるというかのように。
「どうしたの?カイト」
ミクはカイトに声をかけた。
「・・・1つだけ、分かったことがあるんだけど」
「えっ・・・・」
「・・・ん、何が分かったんだ?カイト」
驚きで声が出ないミクに代わって、アカイトが訊ねる。
「・・・んーと、これは僕の推測なんだけど」
カイトはそう前置きをして言った。
「・・・・多分、リンちゃんはグルトの家にいるかも」
と、ただ一言だけ言った。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
  • 作者の氏名を表示して下さい

日常的環和 20話 リンの失跡×レンの失跡=悲劇 その5

・・・こんにちわ、もごもご犬です。
まだまだ続きます!

閲覧数:138

投稿日:2009/08/03 15:26:37

文字数:1,090文字

カテゴリ:小説

オススメ作品

クリップボードにコピーしました