「カラン、コロン」
少し遅れて
「カラン、コロン、コロン」
君の下駄の音がほら
聞こえてくるただそれだけでね
こんなにも心が弾むんだ
このままさ真夏の静寂に
溶けてしまいたいな
ヒューと上がって見上げた夏の夜空を
僕等の合間を縫った冷たい閃光
パーンと鳴って消えた君は泣いていた
どうか、消えないで夏の幻みたいに
「カラン、コロン」
少し慌てて
「カラン、コロン、コロン」
君が追い越していくほら
お団子、簪の輪郭
水色の浴衣が綺麗だ
「始まるよ」そう言い振り向き
僕の袖を引くんだ
何度夏が過ぎても 君を想うんだ
あの日見たあの花が心で咲くから
さっと敷いたシートも
パッと開いた花火も
到底僕一人だけじゃ大きすぎてしまうよ
「私ずっとこうして待っているよ」
涙混じりに吐き出したその言葉は
ただ宙を舞って 「好きだ」って
返せぬままにほら夜になったよ
石段を二つ上がって
そっと二人で手を繋いで
午後7時半僕等は同じ方角を向いていた
ヒューと上がって気付いた空の左手を
君のはしゃぐ姿はここにはもうないけど
きっと消せない夏の記憶束ねて
いつか届けるよ夏空に咲くブーケを
「カラン、コロン」
少し遅れて
「カラン、コロン、コロン」
君の下駄の音はもう
縁日の灯からさ だんだん
街頭の灯に変わる現実(リアル)を
君といた夏とを重ねて
この夏も終わるんだ
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