ひとり歩く コートに身体を包んで
仕事帰り 週末の賑やかな街
不意に向けた 視線で心が乱れた
あの人だわ 目元だけで すぐに判るほど
まだ忘れてないなんて… 別れたあの日から
四つの季節を 軽く越えたはずなのに
あの人は気づかない すれ違って行く私に
気にかける右腕に 可憐な花が寄り添う
聞こえそうに痛む鼓動の 戸惑いに崩れそうよ
他に好きな 誰かの香りを感じて
「来て」と無理に 呼び出したサイドシートに
ブレスレット 左手首から外して
突き返した これで終わり 何も聞かぬまま
傷ついていないつもり… 今更どうしてよ
ほんとの寒さが 胸の奥で吹きすさぶ
あの人のその背中 あぁ思わず振り返った
人波に揺れながら ただ遠ざかる 切なく
零れそうな想い堪(こら)えて またひとり歩き出すわ
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