【がくルカ】桜舞い散るあの頃へ

投稿日:2012/02/13 20:33:35 | 文字数:3,632文字 | 閲覧数:1,123 | カテゴリ:小説

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「桜がキレイに咲くように」


息ぬきで小説を書くとギャグか暗い系になる←
ちなみに後半部分が書きたいがためにこれ書きました。

そして『八つ』というキーワードでなんとなく察しがついたでしょうか。
そりゃーあの人たちもルカさんが…ねぇ。

そして誤字脱字があれば、暖かく見守ってやってください。
そしてよろしければご感想をどうぞ。


ちなみに、カイト誕生祭の小説はネタが出ないので今回はパス。

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TEXT
 

桜。
それは四月に開花する、美しい花。
桜が舞い散る中、花見やスケッチをするのは最高だ。

そんな桜にも、いろんな噂はあるわけで。
それはいいものもあれば、悪いものもあるわけで。
その桜の噂に関係した、ある話もあるわけで。















<<桜舞い散るあの頃へ>>















「ふあぁ…」


ついついあくびが出てしまう。
最近暖かくなってきたからか、とても眠い。
新聞を取りに玄関を出る。


「あら、神威。おはよう」
「おう」


俺の隣の家に住んでる幼馴染が玄関を箒で掃いていた。
朝から立派なことで。

その幼馴染、巡音の家には大きな桜の木がある。
亡くなった両親が産まれる前からあった木だそうだ。


「お前ん家の桜、今年もキレイに咲くといいな」
「うふふ、ありがと。できれば枯れてほしくないわ」
「そうだな。花見ができなくなるし」
「…食べ物目当て?」
「いや、お前目当て」
「おだてても何も出ないわよ」
「そりゃ残念」


この桜は、花が咲いているのを見ると心が癒されるものだ。
この桜が、いつまでも見れるものだと、そう思っていた。










*










「ねぇ知ってる?
 桜がキレイに咲くのは、木の下に死体が埋まっていて、その血を吸っているからなんだって」
「おいおい、本当に埋まってると言いたいのか?
 嘘ウソ、誰かの作り話だろ?」
「そ…そうよね。
 そんな怖いこと、あるわけないもんね…」
「…間違っても埋めるなよ」
「埋めないわよ!怖いし」


このとき、巡音の顔が微かに曇ったのは気のせいだろうか。










*











「ねぇ神威。
 今年は寒いから、桜は咲かないかもしれないって、テレビで言ってた」
「そうかもしれんなぁ。そうなるのは残念だ」
「まだ決まったわけじゃないんだよね?」
「あぁ。たぶんな」
「…桜、キレイに咲く方法はないかな…」


このときは、まだなんとも思わなかった。
まさか、あの言葉が最悪な事態を引き起こすとも知らずに。









*









事件が起こったのはそのときだ。
三月下旬ごろ、桜がまだ咲いていないときだ。

この地域で人が一人、行方不明になった。
そしてそれをきっかけに、ぽつりと人が消えていった。


行方不明者が六人に達したとき、俺はさすがに違和感を覚えたさ。
絶対に何かあると思った。

だがいくら調べても、手がかりは見つからない。
だがある噂は手に入れた。

―最近、巡音の様子がおかしい―

はっきり言って、関係ないと思う。
確かに最近、調子はおかしかった。
学校はしょっちゅう休むようになったし。
俺が何回訪ねても、留守だったし。

でも、確かめずにはいられなかった。
もしかすると、関係あるかもしれないから。









俺は巡音の家を訪ねた。
と言っても隣だけど。


「あら、いらっしゃい」


今日はめずらしく、巡音はいた。
表情は笑顔だが、今はその笑顔が少し怖い。


「私今から出かけるとこなんだけど、ちょっといいかな?」
「あぁ、いいけど」
「ごめんね、ちょっと長くなるかも」


そして、彼女は出て行った。




俺は立ち上がり、庭の桜の木へと足を向ける。


彼女は無関係だ。
関係があるわけがない。


そんなことを心の奥から願っていた。
気づけば俺はスコップを手にしていた。

桜の木に到達。
かすかに、考えたくないにおいが漂っている。
スコップの先を、根元近くの土に突き立てる。




柔らかい。




あからさまに、他の地面より柔らかかった。
まるで、何かを埋めた後のような。


―違う、彼女は無関係だ―


必死に願いつつも、俺の手は作業をやめない。





そして、唐突に飛び込んできた、強烈な鉄のにおい。





信じたくなかった。
考えたくなかった。
関係なんてしていないと思っていた。
彼女は無関係だと、信じたかった。


だが、現実はあっけなく襲ってくるもので。
その光景は、認めたくない真実をしっかりと俺に見せ付けた。


見たくなかった。
それは、あまりにも残酷で。
見るも無残な姿で、たしかにそこに埋まっていた――


彼女だ。
信じたくなかった、だがパズルははまった。


――桜、キレイに咲く方法はないかな…――


彼女は桜が咲かないことを心配していた。
彼女の様子がおかしくなったと同時に、人がふらりと消えていった。


間違いなく、彼女がやった。
この事件は、すべて彼女自身が引き起こしたこと。
彼女は、桜を見るためだけに、たったそれだけの理由で、最悪な事態を引き起こした。


この光景が、すべてを物語っている。
それが証拠。


―彼女が犯人だ―
―そして、恐らく次に生贄となるのは…―




「なあんだ…神威には、もうバレちゃったかぁ」




彼女の声。
それは、普段聞いているものよりも、凍りつくように冷たくて。



「幼馴染だもんね。わかっちゃうよね」



ジャリジャリと、ゆっくり足音が近づいてきて。



「君は私を信じてくれないんでしょ?」



雰囲気は、かすかに重くなっていって。



「でも君は裏切らない。私はそう確信する」



人形のようにゆっくり首を動かすと、そこにあるのは。



「だって、桜はキレイに咲くんだから」




――狂ってしまった、彼女の笑顔で。

その手には、確かに鋭利な刃物が握られていて。



「…ねぇ、神威。そうでしょ?桜は、キレイに咲くでしょ?」
「……」
「ねぇ、そうよね?でも、君は見れない」
「……ッ!」



ギラリと光るソレは、ゆっくりと振り上げられて。
彼女の雰囲気は、俺を縛り付けて。

動けない。

身体が、恐怖に怯えている。
動くことができなくなっている。



「だって、君には桜のために生贄になってもらうんだから」

「…う……っあ…あああ…」



できない。
俺には、彼女を止めることなんて、できやしない。
身体は動かない。

恐怖に怯える俺の瞳は、狂った彼女を捉えていて。



「バイバイ、幼馴染」



身体に走る激痛。
俺の左胸から、たしかに赤いソレが流れ出していて。
そして…鼻に突き刺さる、生臭いにおい。



「私が愛した人なら、桜はキレイに咲くわよね?」

「だって、共通しているのは『赤』だから」

「ねぇ、そうでしょ?」






『いつまでも、この桜がキレイに咲けばいいね』

『きっと咲くよ。僕は、君と一緒に見届ける』

『じゃあ、約束。二人で、いつまでもこの桜を見ようね』

『うん、約束』






「今年も、桜がキレイに咲くといいわね」







――もう、あの頃に戻ることはできないのだろうか。

幼くて哀れな、桜が舞い散るあの頃に…







俺が最後に見たのは、狂った幼馴染と、幼き日の思い出。

そして、小さなつぼみがついた、真冬の桜の木。




「約束よ、神威」




彼女の声を最後に、意識は遠ざかっていった…













*












『――次のニュースです。七人目の行方不明者が…』

「まぁ怖いわね」

「でもよかった、今年もきれいに咲いたわ」

「でも、少し色が薄い…」

「…そうだ」




「私も生贄になれば、もっときれいに咲くはずよ」

「そうよね?そう思うわよね、神威?」










+++++












そしてその年、その桜は見事な色で咲きました。

写真撮っておけばよかったですねぇ。とてもキレイでしたよ。



え?あぁ、彼女達ですか。

そうでしたね。

実はあの後、八つの遺体が発見されたんですよ。

一つは桜の近くで、七つはその根元に埋まっていたとか。

もちろん、犯人は彼女でしたよ。

だって、堂々と彼女の日記に書いてありましたし。

遺書だって残されていたんですから。恐ろしいですねぇ。



しかし、こういう話は意外とおもしろいですよねぇ。

え?おもしろくない?そうですか、それはすみません。

でもほら、他人の不幸は蜜の味って言うじゃないですか。

それですよ、それ。

そうじゃない人もいるでしょうけど、私はそれの虜なんですよ。

…おっと失礼、私のことなんてどうでもいいですね。



そういえば、あなたたちには今二枚のカードがありますね。

『桜が咲く』か、『桜が咲かない』か。

私のカードは特別です。

どちらか誤ったほうを選べば、何か不幸なことが起こります。

皆さん、くれぐれもふざけてカードは選ばないでくださいね?



それでは皆様、お気をつけて。

のほほんと生きる物書きです。
ギャグから真面目なものまでいろんなジャンルの小説を書いています。
…のはずが、最近はがくルカを書くことが多いです。


IN率低いです。
マイページ以外では「かなりあ荘」というコラボに出現します。

全体的にgdgdなものが多いです。
小説は、自己解釈もオリジナルもやってます。
だいたいはその場のノリで書いてます。

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作品へのコメント2

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    ご意見・感想

    ゆるりーさんは、結構ダークゆるりーになってるんですね←

    ここでも、何かを学んだ私ですが、それは内緒ww
    だって、それは秘密にした方が……たのしいでしょう……ふふふ(黒)

    2013/06/27 03:31:48 From  しるる

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    メッセージのお返し

    たまにダークゆるりーになりますよ←

    学ぶところが一体どこにあったんですか!?w
    ちょっと気になります…
    だ、ダークしるるさんだと…(ガタガタ

    2013/06/27 18:21:05 ゆるりー

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    ご意見・感想

    『木の下に死体が埋まっていて、その血を吸っているから』のときにとある「魔○の隠○里」という推理小説を思い出した雪りんごですw

    ルカさん…怖いww
    ミクさんたちもルカさんが……想像しただけで恐ろしいw

    最後の部分、Bad ∞ End ∞ Nightみたいですね。
    最後の語り手が誰か気になってます

    2012/02/14 16:54:31 From  雪りんご*イン率低下

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    メッセージのお返し

    よく聞く話だと思うのですが。
    そしてその推理小説がわからない・・・orz

    ルカさんも壊れてきましt((

    そんな気はなかったんですけどねw
    最後の語り手はですね、過去の「trick or treat――?」と「禁断の遊び」の語り手と同一人物…の予定。
    そしてボカロのキャラではないです、一応。
    Bad ∞ End ∞ Nightはたぶん皆様の想像とは違う方向に行くかなー…と。

    メッセありがとうござました!

    2012/02/14 17:16:49 ゆるりー

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