『あなたは誰にでも優しいから勘違いした男が言い寄ってこないか心配だわ…』
お姉ちゃんにいつもいつも言われ続けていた。
意味もよく分からないまま大丈夫だよなんて笑っていたけれど最近その気持ち少し分かってしまった気がする。
そう、最初に大好きになってしまったのはきっと…私。
【小説】堕ちた天使と悪魔の囁き2
暖かい空の下ふわりと空を舞っていた。
そのちょっとした不注意で細い枝に絡んでしまったリボンは外そうとすればするほどさらに絡まって…。
困り果ててるときに現れたのが彼だった。
背後から伸びた器用な指先が難無く私を解放してくれた。
振り返ると鮮やかな黄色の髪の悪魔が呆れたように
「キミ、随分不器用なんだね…」
言った後に盛大に笑われた。
なのにその眩しい笑顔に浮かされたのかもしれない。
好きになってしまいました、なんて口を滑らせて。
あの人のあんな驚いた顔を見たのは後にも先にもあの時だけで、それが私たちのキッカケだった。
「ミクちゃん?俺と居るのに何一人で楽しそうな顔してるのさ」
ヒドくない?
なんて笑う彼はいつもと同じ。
けれど二日前は違った。
優しく優しく抱きしめてくれていたのに突然突き放されて驚いてしまったのだけどそれをしたレン君の方が動揺していた。
その後何を聞いても“ごめんね、何でもないよ”ってそればかり。
あんな作ったような笑顔を見たのも初めてだった。
私の事嫌いになっちゃったのかな。
けどまだ会ってくれるし今日はちゃんと笑ってくれる。
だから平気だよね…?
思考に沈んでるとふいに伸びてきた手が頬に触れて
「今日は本当にどうしたのかな。一人で次々表情変えて。何かあった?」
何かあったのは貴方の方でしょう?
言い掛けたけどそれよりも確かめたいことがあって彼に思い切り抱きついた。
「…えっ?」
勢いを付けすぎたのか二人して倒れ込むけれどとっさにレン君が支えてくれた。
大丈夫…。
ちゃんといつもみたいに抱きしめてくれてる。
ほっと息を吐いた途端、私に回されていた腕の力が抜けそっと手のひらが肩に添えられるだけになる。
それじゃ嫌、足りないの。
いつもみたいに“好きだよ”って言って、ぎゅっと抱きしめていてほしいの。
このときの私はレン君の態度の違いばかり目に映り戸惑っていて私自身がおかしいなんて気がつきもしなかった。
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じん
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