蝉の鳴き声と
生温い風と
焼けたアスファルトの匂いと
白く照る横断歩道と
夏の全てが

消えたい気持ちが
指先をつたう
眠る信号機の眼は
ただ沈黙を守っている

知らない日付と
めくれるカレンダー
抜けるような青空と終末
微かに聞こえる呼吸音

点と線だけで
説明のつく空間が
震えて温度を持つ
感情の方向が色をつける

揺らぎながら
留まりながら
時が流れるのを見た

(いつかみた天井。)

もしやり直せたとしても、
同じ過ちを繰り返すだろう。

完璧を目指すうちに、
明日の違和感を忘れるのだろう。

どこかで嫌になって、
きっと終止符を打って目を閉じるのだろう。

良い夏だった、と思う瞬間は
永遠に来ない。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

コウセンマナコ 歌詞

閲覧数:4,080

投稿日:2020/08/16 23:55:05

文字数:308文字

カテゴリ:歌詞

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