目が覚めたら小さな星の中にいて、きみの姿は遠くの星の下にあったの。
星の中から外に出たら、背中に小さな羽が生えてた。
体も虫みたいに小さくなってて。
ああわたし蝿にでもなったのかなって思った。ゴキブリかな。それとも蛾かな。
決して綺麗とは言えない羽が生えてる。
わたしが蝶だったら、きみに妖精みたいって言ってもらえたかもしれない。でもそんなこと関係ない。
宝石みたいに綺麗な地球を見下ろしてたら、きみの世界に黒い隕石がいくつも落ちてゆくのが見えたの。
わたしは咄嗟に体が動いて、流れ星みたいに地球に降り注ぐ隕石に向かって体当たりしていったの。
小さな体はぼろぼろ。羽も燃えてる。それでも、素早く体を動かして閃光のように隕石目掛けて体からぶつかっていった。
体が硬い石にぶつかる度に、火花が散って隕石が爆発した。粉々に砕け散った破片がわたしの羽に穴をあけていったの。地球から見えたそれは、まるで流れ星が隕石を撃ち落としてるように見えたって。
全ての隕石を撃ち落とすころにはわたしの体は目も当てられないくらい壊れ切ってて、それでもきみが死ななくてよかったって思ったの。
わたしきみの妖精になれてたかな。生まれ変わった姿が芋虫みたいにグロテスクでも、きみは愛してくれるだろうか。わたしが葉っぱの上に止まって美味しそうに緑の葉っぱを食べてたら、蛹になるまで大事に育てて。蝶になって短い生をまっとうしたら、わたしは今みたいに妖精になってきみのことをそばで守ってると思ってね。次は綺麗な羽を持って、次は綺麗な羽を持って……。そんなことを思っているうちに、きみからもらったりぼんが髪から解けて、ひらひらと、そしてふわふわとわたしの体は埃のように地上に降り注いだの……。

地面に落ちた、七色に輝くりぼんをひとりの女性が拾い上げた。彼女の娘は3年前にこの世から病で亡くなっており、生前、よく次に生まれ変わったらわたし流れ星になってまたお母さんに会いにくる。それで、お母さんを守る妖精になるからね。そう苦しい闘病生活の中、笑顔で話していた。
いくつもの隕石を流れ星が撃ち落としたニュースがひっきりなしにTVで放送されてる。街も騒然としていて、皆んなで一斉に空を見上げていた。
「あの子にプレゼントしたりぼんじゃない。お葬式の日に確かに一緒に燃やしたはずなのに」
その中の一人にその母親がいて、母親はりぼんを手にしながら、あっけに取られて空を見上げていた。
「……あの子が守ってくれたのかしら? あの子は、流れ星の妖精になったのかしら?」
こんな話馬鹿げていると思われるかもしれないけれど。でも、彼女は心からそう信じていた。
「あの子が見ているなら、どうかあの子に届きますように。愛してる」
小さな七色のりぼんを、あの子が好きだった向日葵の花に結びつけて旗にした。その旗を空に掲げたら、きっと妖精になった彼女がわたしのところにもう一度やってこれるでしょう。流れ星になって地球に落ちてくる時、わたしの居る場所が分からなくて、迷子になることのないように。
わたしはここに居るわと。向日葵の旗を掲げて。

ふわりふわり、日の光に照らされた小さな羽のかけらがわたしの肩にとまった。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

流れ星の妖精

思いついたので、即興で今書いてみました✳︎
メルヘンチック&ファンタジーପ(⑅ˊᵕˋ⑅)ଓ

描いた歌詞から浮かんできた物語を
書き留めました。わたしがなくなったら、あなたの周りを
舞う埃じゃなくて、せめて妖精さんになりたいんです♡ʾʾ

感想が頂けたら嬉しいです⑅◡̈*
この小説からイメージしたイラストや動画や
曲もぜひお作り頂けたらと思います☆ミ

この小説の元になった歌詞です⇩
https://piapro.jp/t/bghI

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投稿日:2024/06/25 14:41:30

文字数:1,326文字

カテゴリ:歌詞

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