沈黙にざわめく夜の葉擦れの音の中で
耳を塞いでも聞こえてくるあの嘲笑

雨は優しく僕に触れて
ゆるゆると肌に溶けていく
藍地の裾を揺らして
陰鬱な色を纏う闇夜をゆく

僕はただ空を睨み
湖畔(ほとり)に横たわる

寄せては返す 波のようなこの焦燥
濡れた露草に身を委ね沈んでゆく

空を見上げても
星の瞬きはなく
明月の癒しもない
ひとり
このままひとり

何を求めて僕は空へ腕を伸ばすの?
虚空を掴むばかりの冷たい指

瞼をくすぐる群青(あお)い花弁
何を願うのか?
縋る思いで花弁(きみ)を食む

絡みつく全てを捨て去り
絶望の淵で水面に写った僕
湖月となろうか?
天に浮かべぬ汚れた我が身よ

湖面に浮かんで見上げる夜の長雨(眺め)
湖面に浮かべばそう僕が雨夜の月

誰にも見えず
誰も知らない

ライセンス

  • 非営利目的に限ります

(仮)雨夜の月

元々、歌詞募集曲の応募用に書いたモノです。
(曲は素敵な詞と歌が入っていました!)
イメージに"和風、月、不思議な感覚と音、アンニュイなレン…"とあったのでこんな感じに仕上がってます。
たぶん倦怠感が強いです。

前回の投稿1作目に続いて季節設定が秋です。
秋なので仕方なし・・・と思って下さい。
秋の長雨は、どの季節よりも陰鬱な気がいたします。
季節は違いますが、自身の好きな歌の1つである小野小町さんの「はなの色はうつりにけりな いたづらにわがみよに降るながめせしまに」という作品の表現を少し拝借しています。
なかなか長雨⇔眺めを表現する語彙が見つからず・・・勉強不足を目の当たりにしています。
いい大人なのに恥ずかしい限りでございます・・・。
精進してまいります。

閲覧数:200

投稿日:2009/10/10 23:01:12

文字数:350文字

カテゴリ:歌詞

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