それは、不意打ちの。
<クーデレな彼女と不意打ちな彼>
「ねえねえ、めーちゃん」
私が勤めている音楽会社の休憩所のソファーで、缶コーヒーを飲んでいた私にいつもの声がかかる。
声をかけてきた仕事仲間のアイス大好き人間が私の隣に座る。
面倒くさいと思いつつめーちゃんこと私、メイコはただの缶になったものをゴミ箱に投げてから、言葉を返す。
「何?」
「めーちゃんってさークーデレだよねー!」
・・・何言ってんだこいつは。私がクーデレなはずがない。第一アイス大好き人間ことカイトにデレを見せた事がないし。
「私がいつアンタにデレた?」
「え、この前にお酒飲んだ時に『カイトが好きなのよぉ』とか言ってた気が・・・」
「何それ全く記憶にないわ」
いきなりすぎる事実の告白に内心では焦りつつ、あえてクールに返すことに成功した。
そういえばカイトはあの時お酒をあんまり飲んでいなかった記憶がある。確か『僕お酒弱いんだよ~』とへらへらして言っていたはず。
記憶が曖昧ではあるけどお酒の勢いでそんなことを口走ったような気がしないでもない。まずい。非常にまずい。カイトにばれると色々とやっかいなことになる。
「えーうそつきだなぁ」
「嘘ついてなんかないし・・・」
「・・・本当に?」
普段と違う声色に意地悪な顔。いつもと違う雰囲気になったカイトに心臓が跳ね上がる。いきなり何なのだ。どぎまぎしながら言葉を返す。
「な、何よ・・・」
「じゃあ・・・芽衣子」
急に名前を呼ばれ、更に心拍数が上がる。この状況はまさか・・・。
「好きだ大好き愛してる」
「っ・・・!」
椅子から立ち上がり、愛の言葉の連発に動揺した私の顎をつかみ、引き寄せる。
それは不意打ちの、けれども優しい――
一瞬で私に重ねられたものが離れる。
赤面した顔を隠すようにそっぽを向いてごまかした。
「これで僕のこと好きになった?」
「ま、まあ・・・好きになってもいいけど?」
「やったー!めーちゃん好き好き好き!」
どうしてこいつはいつもへらへらしてるくせに突然こういうことができるのか・・・。全く理解出来ない。
「はいはい。仕事に戻るわよ」
「じゃあめーちゃんまたねー!」
子供みたいに手を振るカイトに小さく手を振りかえし、平然を装って仕事に戻る。
仕事場であるスタジオに戻った時後輩のルカに声をかけられた。
「芽衣子さん、顔赤いですよ?どうしたんですか?」
「な、なんでもないわよ!」
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「どうしてあんなやつのこと好きなんだか・・・」
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