それはとある日曜日の出来事。


「ま、マスター?」
ん?何、リンちゃん。
「それはちょっと違うんでね?」

今私はクッキーの生地と戦っている。

「だってそれ普通のコップじゃん。」
仕方ないでしょ、型抜き用のアレ(名前が分からない;)が無いんだからさ。
「でもなんかもうちょっとマシなやつないの?
……あ、これなんかどう?」
……これも、コップだよね。
「マスター!あんたは何処に目つけてるの!
飲み口がハートになってるだろうが。」
あ、あぁ。そういうことか。

じゃあ早速そのハートのコップを使って型抜きするか。

リン、そっちからやっていってね。
私こっちからやるから。
「了解ー☆」



10分後


「マスター終わったよー。……マスター?」
ちょっと、ま、待ってくれ。
「ちょ、マスター!何これ!?全然ハートになってないじゃん!」
し、し、仕方ないでしょー!こういうの苦手なんだから。
「苦手とかいう問題じゃないって。」

クッキーは……何故か全てハートにトゲが……
ハート型にするつもりが何故かトゲトゲに……

「もしかして、マスター……。
コップから生地落とすときに無理やり引っ張ったとか?」
うっ……
「そしてトゲトゲになったのを見て、
『まぁいいや。』とか思ったでしょ?」
うっ……
「図星か。」
い、いや、別に無理やり外したとか、そんなつもりじゃ……
「この生地は動かぬ証拠だね。仕方ないから焼くよ。」
うん、焼き加減はリンにお願いするよ。



「ただいまー。」(外で遊んでたレン帰宅)



「あ、お帰りレン。」
「すげーいい匂い。何か作ってんの?」
うん、クッキーをね。
「へぇ……マスター料理できるんだ。」
あ、あはは……あはw
「なんか嫌な予感。」
「その予感多分的中するだろうね。」
「やめてよ、リン。不吉だろ。」
そうだよ、もしかしたら美味しいかも知れないじゃん。


ピィーピィー(オーブンの音)


あ、出来た。見てくるわ。
「うん。」
(マスターキッチンへ。)
「で、リン。どんな感じなの?」
「見てからのお楽しみって言いたかったんだけど、
多分これはマスターが生地を作ったから、全部まずいに1000円。」
「いや、俺は、マスターを信じてやるよ。かわいそうだから。
じゃあ食べれるに1000円ね。」

なにそれ、超侵害なんだけど。

「あっ!?ま、マスター。」
「いや、べべべ別に、マスターのクッキーが不味いとか
そんなこと言ってるわけじゃないよー?」
あんた等なぁ……クッキー食わせないぞ。
「それは脅しになってないよ。」
「とりあえず食べるよ。頂きます。」

レンがパクッと一口。

「うーん……う。」
「う?」
なにか材料間違えたかな……。
「美味いんだけど。」
「……は!?嘘でしょ!??」
ちょ、私も食べる。……パクッ

(美味しいよ、こいつ!!)

「リンも食ってみなよ。」
「え、う、うん……モグ、モグ……美味しい、確かに。」
「じゃあお前1000円くれよ。」
「もぉー、なんかずるくない?絶対偶然だってば!」
お前等本当に酷ぇよなwwww

(リン:そういえばあのトゲトゲが無い。)

「ねぇ、マスター?」
何?リン。
「トゲトゲ何処やったの?」
と、トゲトゲ……
「トゲトゲってなんだよ。」
ちゃんと持ってきたよ。
「これ、これ!ねぇレン食べてみて?」
「えっ……マスターこれはこういう風に作ったの?」
いや、知らぬ間に出来た。
「ある種の芸術だよね。」
「本当にね。」

レンが一口。

「なんか悲しくなってきた。」
「トゲトゲハートだから?」
その理論は可笑しい。
「美味しいのに、なんか形見てたら悲しくなってきたよ、マジで。」
レン、それは間違いだ。
「へ?」
目をつぶって食べれば何の問題もない!
「マスター、……だから成長しないのか。」
え?
「そうか、そういうことか。だから料理が下手なのか。」
なに、ど、どういうこと?
「「そういうことww」」

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
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マスターとリンレンのクッキー作り。

実はクッキーを作ったときに思いついたネタ。
というか、実話に近いです。
そこにリンレンを投入しました。

閲覧数:299

投稿日:2009/03/30 17:18:28

文字数:1,659文字

カテゴリ:小説

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